ヴィレッジヴァンガード、大赤字脱却なるか

雑貨チチカカを売却でも見えぬ復活の道筋

セールでボリュームの確保に動けば利益率が低下し、利益率の確保のために値引きをやめると在庫の山が出来る。出た結論は「一度離れた顧客は戻らない」というものだった。

今回、ヴィレヴァン傘下での再建を断念した理由を、会社側は「ビジネスモデルがヴィレヴァンと異なるため、再建は他者の手に委ねるべきだと考えたから」だとしている。

ビジネスモデルの違いで再建を断念

8月1日に売却したチチカカの店舗。金融情報配信会社フィスコの親会社に売却した

チチカカは鮮度管理が重要なアパレル製品が中心だが、ヴィレヴァンがメインで扱っている雑貨はアパレルほどの鮮度管理は必要としない。

さらに、チチカカは委託生産ゆえに全量買い取りだが、ヴィレヴァンは国内の業者からの他品種少量高頻度の仕入れゆえに、タイムリーに対策を打ちやすい。

約2年間に渡って、在庫管理の徹底や、不採算店の閉鎖も行うなどテコ入れを図って来たが、ヴィレヴァン傘下での再建は困難と判断し売却に踏み切った。

今回、ヴィレヴァンは総額43億円の負担をしてチチカカを切り離している。チチカカは2016年3月末時点で22億円の債務超過状態にあり、57億5300万円の有利子負債を抱えている。そこで、57億円強の有利子負債のうち23億7600万円は売却前に返済し、チチカカの有利子負債残高を33億7700万円に圧縮。債務超過を解消した上で売却する形をとった。

23億7600万円の返済原資は、8月1日付でチチカカが実施した第三者割当増資をヴィレヴァンが引き受けて払い込んだ資金だ。ヴィレヴァンはこの増資引き受けで取得した全株式を1株1円、総額1900円で売却先のネクスグループに譲渡した。

ネクスグループが弾き出したチチカカの事業価値が13億8200万円。これが、ヴィレヴァンが保有するチチカカ株式の譲渡対価になるのだが、ここに同社に残る33億7700万円の有利子負債は含まれていない。

しかも33億7700万円のうち20億円はヴィレヴァンが債権者なので、ヴィレヴァンはこの20億円の貸付債権を889万円でネクスグループに譲渡した。ゆえにヴィレヴァン本体の負担額は合計43億円となったわけで、約23億円の増資引受資金は銀行借り入れでまかなったので、8月1日時点で、ヴィレヴァンの連結有利子負債は、チチカカの切り離しによって2016年5月末時点から20億円ほど少ない105億円になったが、単体では同時点から約20億円増加した。

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