ガリバーが、フェラーリを売り始めた事情 中古車買い取り最大手、脱・卸売り依存に動く
補助金効果で販売が過熱した新車販売店では拡販を狙う施策として、実質的な値引きにつながる中古車買い取り価格の引き上げを相次いで実施した。
これを受けて、市中の取引価格が上がったことで、ガリバーのような中古車買い取り専門店でも買い取り価格を引き上げて対応せざるを得ない事態となり、1台当たり粗利が急速に悪化。今年度(2013年3月期)は、前期比2割程度の営業減益を強いられる見通しだ。
卸売りに頼っていては、政策の影響などにより市況が急激に変動した場合に、収益が著しく低下するリスクがある。安定して収益を稼ぐもう一つの柱を大きくしなければならない。ガリバーにとって小売りの強化は、「卸売り依存」から脱却するために必要な戦略なのである。
大型展示場付きの直営店を続々新設
ガリバーはリベラーラの展開に先駆けて昨年、大型展示場を兼ね備えた直営店を幕張、箕面、大宮に相次いで出店。一連の戦略が奏功して、13年2月の直営店ベースの中古車小売り台数は7186台(前年同月比18%増)と創業来の月間最高記録を更新した。
リベラーラは、ガリバーが中古車小売りビジネスの拡大に向けて、さらにアクセルを踏み込むとともに、高級中古輸入車を扱えるほどにガリバーが中古車流通業界で実力を上げてきたという象徴でもある。「94年の創業以来、着実に店舗網を拡大してきたことで、さまざまな車種を扱うことができるようになり、高級輸入車に特化した専門店を出店できるまでになった――」。ガリバーのマーケティングチームに所属する坂井智代美・執行役員は言う。
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