メガバンク全行、ついに税金を払う

失われた20年越え、「普通の会社」に

株式市場は今年に入ってからもリーマンショック以来の高値を更新しており、各行における3月末の株式減損は、さらに縮小する可能性もある。

「繰延税金資産」計上で利益が一段と膨らむ

もう1つ、メガバンクにとって今期の利益増加につながる要素がある。それが「繰延税金資産」の計上だ。繰延税金資産とは、税効果会計の適用によって計上される資産であり、これを計上することで、最終利益も増加する。

メガバンク傘下には今期、これまでより多くの繰延税金資産の計上を認められる銀行がある。みずほFG傘下の3行と、三井住友FG傘下の三井住友銀行だ。

理由は税法上の欠損金が解消される見込みであること。繰延税金資産の計上には課税所得の黒字が前提になるが、これらの銀行は欠損金が残っていたため、一部の計上しか認められていなかった。なお、三菱UFJFG傘下の三菱東京UFJ銀行は、2011年3月期に欠損金がおおむね解消済みだ。

みずほFGでは、今期は上期(12年4~9月期)にみずほコーポレート銀行、下期(12年10月~13年3月期)にみずほ銀行とみずほ信託銀行が計上する繰延税金資産によって、通期(12年4月~13年3月)では約1000億円の増益要因となりそうだ。三井住友銀行も下期に繰延税金資産を計上することによって500億円を超える増益要因になる。3メガバンク以外では、りそなホールディングスも今期に同様の処理を行っている。

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