タカラトミー、希望退職の裏側 非効率な販売体制と海外子会社の不振が足引っ張る

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国内玩具市場でバンダイと激しいつばぜり合いを繰り広げてきたタカラトミーだが、近年は収益力でバンダイに水を空けられている。バンダイを中核としたバンダイナムコホールディングスのトイホビー事業は、今年度(13年3月期)に売上高1680億円(前期比6%減)、営業利益100億円(同48%減)を見込んでいる。これは減収減益ながら売り上げ規模で拮抗するタカラトミーとは、利益水準が約2倍以上も違う。

タカラトミーが苦しんでいる背景には、国内での販売体制が非効率なうえ、買収した海外子会社との連携がうまくいっていない点がある。

これまでタカラトミーは玩具の卸売り機能をタカラトミーとユーエースの2社に分けていた。それぞれが別々に在庫管理を行っていたことで、需要に合わせた商品供給ができていなかった側面がある。海外は買収した米国子会社で、販売体制の混乱が発生。500億円超の大規模買収ながら、未だに相乗効果を生み出せない苦しい状況が続いている。希望退職はこうした状況で、収益力を回復させるための策だ。

問われる富山体制の真価

対抗策は打っている。昨年10月には玩具の卸売り機能をタカラトミーマーケティングに集約。在庫を一元管理することで、採算改善の糸口をつかんだ。海外では国内商品の現地販売を本格的に始めた。旧トミー時代からの有力商品「ポケモン」のライセンス契約を欧米で締結し、今年1月から米国、2月からは欧州での販売を行っている。並行して、これまで曖昧だった地域単位での役割や責任を明確化する組織編成も実施した。

今年で社長就任27年目になる富山幹太郎社長兼CEOは、昨年11月に開いた決算説明会で「RC2(米国子会社)買収によって、国内への力の入れ方が弱くなり、チャレンジする風土が失われていた。今後は国内でこれまで消極的だったコンビニやネット通販での取り扱いを増やしていきたい」と語っている。

長年続く富山体制を揶揄する向きもある。07年には米国のTPG、09年には丸の内キャピタルと、連続して投資会社からの出資を受け入れたことに「(方針の対立から)優秀な人材の流出を招いたのでは」と、ある競合他社の幹部は語る。玩具業界の老舗は周囲の批判を乗り越え、立ち上がれるのか。来期の業績で真価が問われそうだ。

二階堂 遼馬 東洋経済 記者

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にかいどう りょうま / Ryoma Nikaido

解説部記者。米国を中心にマクロの政治・経済をカバー。2008年東洋経済新報社入社。化学、外食、ネット業界担当記者と週刊東洋経済編集部を経て現職。週刊東洋経済編集部では産業特集を中心に担当。

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