「ゆうこ! あやや! ちほ! さき!」
名前が呼ばれると、1列に並んだ中から1人ずつ前に出ていき、オリジナルのポーズを披露する。“フリーアピール”の時間だ。
体をクルッと回転させた後、華麗なハイキックを見せたり、両手のポンポンを斜めに上げて、勝利を意味する“High-V” (ハイブイ)のポーズを取るチアリーダーも。ランナーの応援に来ていた人たちも、いつしか見とれている。
「さあ―! 今度は皆さんがチアリーダーになる番です!」
「手を――、左! 右! 左! 右!」
沿道のランナーもその掛け声に合わせて、左!右!と腕を上げながら走り続ける。
最後のポーズが見事決まると、周囲は大きな拍手に包まれた。10曲のBGMが流れる中、20分の応援タイムはあっという間に修了。「引き続き、みんなで一緒にランナーの方たちを応援しましょう!」と最後にエールを送り、彼女たちのステージは幕を閉じた。
仕事にも通じる、チアの心
「すごく楽しかった!」
「ランナーの人たちも走りながらこちらを見て、手を振ってくれたのでビックリ」
「たくさんの人が走っている姿を見て、こちらも元気をもらった気がする」
終演後、上着を羽織りながら、チアリーダーたちは興奮冷めやらぬ様子で、口々に感想を語った。
「テンションが上がって、寒かったことも忘れてました!」と言うのは、長井麻友さん(28歳)。高校時代、チアダンス部に所属した後は、しばらくチアの世界を離れていたが、昨年7月、「青春時代の刺激を求めて」同チームに入部した。
普段は燃料商社で広報を務める。日頃、気を使っているのは、第一印象にも影響を与える「姿勢」と「笑顔」。その大切さはチアから学んだと語る。
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