ジブリもピクサーも、「パズドラ」のライバル ガンホー森下社長が語った開発の裏側(下)
もともとがマイナスからのスタート
――(ソフトバンク孫正義社長の弟でガンホーの大株主でもある)孫泰蔵会長は現在どのような立場でガンホーにかかわっていますか?
経営には直接かかわっていません。基本的には僕一人で全体を見ています。創業の頃から孫さんは「ガンホーは森下の会社だから自分が口を出すことはない」と言っていました。
ガンホーの生い立ちは少し複雑です。もともと3人で会社を起こして家庭用ゲーム機向けの受託開発を行っていたところ、大口顧客だったセガが家庭用ゲーム機(ドリームキャスト)から撤退(01年)したことで業績が厳しくなり、会社を売却しました。当時は家庭用ゲーム機に依存しすぎていたので、プラットフォームに依存しないオープンなマーケットという観点から、パソコン向けにはあまり興味はなかったのですが、パソコン向けオンラインゲーム「ラグナロクオンライン」を自分でプロデュースし、新たに会社を作ろうと決めました。
そのときは日本の大手ゲームメーカーから出資してもらうつもりだったのですが、当時、ソフトバンクにいた孫泰蔵さんとたまたま知り合って、オンセールという休眠会社を使ってくれないかと打診されました。もともとはニューマネーで会社を起こすつもりだったので4回くらい断ったんですが、結果的に引き受けてしまいました。債務を抱えた会社でマイナスからのスタートですから、「ドM」もいいところですよね(笑)。
そうした経緯もあり、孫泰蔵さんは会長でありながら、いち安定株主にとどまり、経営には口を出すことはありません。
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