中古車ガリバー、誰も知らない"新社名"の謎 社名変更に隠された壮大な未来計画

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新規事業として8月中旬に開始するのが定額車乗り換え放題サービス「NOREL」(のれる)だ。月額4万9800円で「フェラーリからスズキの軽自動車まで気楽に乗り換えられる」(由宇介社長)と期待を寄せる。

月額料に加えてガソリン代と駐車場代を負担すれば、そのほかのランニングコストを抑えて、常時1万台以上あるガリバーの在庫から車を乗り換えることができる。

車のトータルサービス提供を目指す

従来の中古車ビジネスの枠にとどまらない「IDOM経済圏」構想を語る由宇介社長(撮影:梅谷秀司)

さらにレンタカーやカーシェア事業への進出も検討している。その先に描くのは車の利用方法そのものを変えることだ。

「NOREL」でシーンに合せて車種を変えることができ、大阪へ出張に行けばグループのレンタカーやカーシェアも利用でき、ポイントが貯まる。車のことなら全国どこでも対応できる「IDOM経済圏」を構想する。

車の利用方法が変化するに従って、スマホゲーム開発大手のDeNAといった異業種からも自動車事業への参入が相次ぐ。ただ、こうした新規参入者がもたないのが実店舗だ。IDOMは2020年にグループ全体で800店弱まで拡大し、実店舗網を活用したビジネスの構築を狙う。

「社名変更は次のステージに向かうという社内に対するメッセージ」(由宇介社長)。中古車買い取りで一世を風靡したガリバー。新たなビジネスモデルを構築し、成長を続けることができるのか。静かな社名変更には大きな野望が秘められている。

宮本 夏実 東洋経済 記者

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みやもと なつみ / Natsumi Miyamoto

自動車メーカー、部品会社を担当

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