LINE前社長が次に挑む「スマホ動画革命」 森川亮氏が仕掛ける女子向け動画とは?
C Channelは、ユーザーの投稿に頼るSNSとは異なり、自ら動画コンテンツを制作している。社員数は40人ほどだが、制作部隊には、日本テレビで「THE夜もヒッパレ」「ZIP!」「スッキリ!!」などを手掛けたプロデューサーの三枝孝臣取締役をはじめ、テレビ局出身のスタッフもいる。原宿の本社近くのスタジオで、レシピやヘアメイクなどの動画を撮影している。
そのほか、サービス上に動画を投稿するタレントやモデルがいる。彼女達は「クリッパー」と呼ばれ、現在150人を数える。クリッパーが撮影した動画は制作スタッフが手を加え、編集後に公開する。
ユーザーはクリッパーをフォローすることで、自分に合った情報をチェックするわけだ。最近人気なのはヘアサロンのデザイナーやメイクアップなど各分野の専門家。ユーザーがプロの技を手軽に活用できるようなわかりやすさ、手軽さを重視して制作している。
動画の再生回数、最後まで見られたのか、どれだけSNSでシェアされ、コメントや「いいね」はどれだけあったのか。現場の責任者はこうしたデータを日々分析し、それをコンテンツに反映する。「クオリティの高いものを出すだけではだめ。見る環境によっていいものは違う。いかに若い人達や時代に寄り添ったコンテンツを出せるかが大事」と森川社長は説明する。年内に月間5億回まで再生数を伸ばすのが目先の目標だ。
若い世代にとっての動画とは?
テレビ局出身の人材に、コンテンツの作り込み、そしてソーシャルゲームのような日々のデータ分析。C Channelは、日本テレビ、ソニー、ハンゲームジャパン(現LINE)と渡り歩いてきた森川氏の人脈とノウハウをフル活用したメディアなのだ。
だが、初めから順風満帆だったわけではない。当初は失敗の連続だった。女性に人気がありそうなレストランの最新メニューや地方の観光スポットなどを精力的に紹介し、海外の観光情報も発信していたが、そのほとんどがユーザーに見向きもされなかったという。
なぜ見られないのか。ユーザーにインタビューしてみると、意外な心理が浮かび上がった。レストランも観光スポットも、ほとんどの人がすぐに行くことはできない。しかも、紹介するのは非常にきれいな女性。「なによ、私は行けないのに」と、悔しい気持ちになってしまうのだという。
最も重要だったのは、ユーザーに「見てよかった。これなら自分もできる」と思わせること。そして、動画をシェアしたときに、周囲から「いいね」を押してもらえるかというものだった。
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