スクエニ、黄金タッグの誤算 12年度決算は合併後最悪水準に
東洋経済の個別取材に応じた佐々木通博・常務執行役員グループ経営推進部長は、「修正計画の達成はチャレンジングだが、営業黒字は確保したい」と説明している。通期の修正計画を達成できるかについては、「トゥームレイダーの初期出荷消化が条件」と語り、予断を許さない状況であることを明らかにした。
第4四半期には米国販売子会社の体制見直しに伴う特別損失を計上見込みであることから、最終赤字になる可能性は否定できない。
古参経営陣に集まる批判
ファイナルファンタジーとドラクエ。合併当時は「この上ない黄金タッグ」と目されたスクエニの業績不振ぶりには、厳しい声が相次いでいる。
「時価総額1240億円。エニックスと合併前でも1500億円はあった。合併は完全に失敗。未来に対するビジョンが無い」
合併前にスクウェア社長を務めた鈴木尚氏は昨年11月、中間期に最終赤字を計上した報道に触れ、ツイッターでつぶやいた(注:2月13日終値時点でスクエニの時価総額は1297億円)。04年12月から8年以上社長を務める和田洋一氏を暗に批判した内容に、当時インターネット上では話題が集まった。
「長年続くスクウェア出身の和田社長と、エニックス出身の本多圭司副社長の代表取締役2人体制が、経営の意思決定を遅らせる悪い方向に働いている」。スクウェア・エニックス・ホールディングスでマーケティングの中枢に携わり、現在はソーシャルゲーム開発会社の幹部を務める人物は指摘する。
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