公開!「ゼネコン75社」年収増加ランキング 「請け負け」脱却、3年前から320万円増も
ゼネコン業界の活況が続いている。上場するスーパーゼネコン4社(鹿島、大成建設、清水建設、大林組)は2016年3月期、そろって過去最高の純利益を計上。その回復ぶりは凄まじく、たとえば鹿島の純利益は前期の151億円から723億円にジャンプアップした。
ここまで業績が回復したのは、安値受注がなりを潜めたことが大きい。かつてゼネコンはデフレの代表格ともいえる業界だった。受注単価は下がり続け、スーパーゼネコンでも営業利益率はせいぜい1~2%。それが2011年を境に大きく変わった。東日本大震災からの復興需要に加え、東京では五輪の開催を見据えた再開発プロジェクトが次々と立ち上がった。需給は完全に逆転し、業界の人手不足が問題にされるようになった。
年収100万円アップはザラ
それを証明するのが、建築着工単価だ。2015年度の非住宅用建築物の着工単価は1㎡あたり約21万円、2012年度と比べて約3割伸びた。実は1㎡あたり21万円という数字はバブル期のピーク(1992年の約20万円)を超える。それほどまでに、受注環境が好転したのだ。
過去に受注した不採算工事の消化が進んだことも大きい。「不採算工事は2016年3月期に半減した。おそらく今期でなくなる」(鹿島の押味至一社長)。2016年3月期については、着工単価が上昇する一方で資材価格が想定より上がらなかったことも各社の業績にプラスになった。
週刊東洋経済は7月30日号で『ゼネコン バブル超え』を特集。絶好調な建設業界の最前線を追った。こうした活況は、従業員の処遇にも反映されているはずだ。そこで今回、決算期が12~3月の上場ゼネコン75社(建築・土木だけでなく住宅建設も含む)を対象に、この3年間で従業員の平均年収がどれだけ増えたのかを調べ、ランキングにした。
増加額のトップは新潟最大規模のゼネコン、福田組。この3年間で平均年収が実に321万円も増加した。「原則として賞与は業績連動。一定の水準を超えると、従業員への還元が増える仕組みになっている」(同社)。同社も2015年度、最高益を更新。県内の公共工事はそれほど増えていないが、大都市の建築需要を着実に拾った。かつて業績低迷時に人員調整などを行った経緯もあり、「できるだけ従業員に還元したいという気持ちもあった」(同社)。
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