昼は空席ばかりでも、バス会社が儲かる理由 大は小を兼ねるのか?

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経営者は最前線で何でもやるべき

そうはいっても人材発掘や配置というものは、既存の社員を活用する以上、成果が出るまでには一定の時間がかかります。そうなると経営層は、奥の間にいて報告を受け決裁をするのが仕事ではなく、必要な事は最前線で何でもやる必要があります。

経営ものの本を読むと、経営層は「経営層の分」というものがあって、現場に出たら迷惑だとか、時間単価を考えるとやるべき仕事を切り分けるべきとかいうのもありますが、少なくとも再生直後何ヵ月かは、「分」に合った仕事を合理的に切り分けずに、とにかく会社で足りない人材の役割は何でもやるべきです。経営層の仕事とは、「企業として必要な仕事」から「現有戦力の仕事」を引いた引き算の仕事だと私は思います。

当然ながらその内容は固定化されるものではありません。そもそも経営層の仕事は結果責任にあります。そこでやることは、上で述べた引き算の仕事、すなわち社員の頑張りの総和では届かない仕事すべてです。

たとえば営業の取り組み一つとっても、指示して終わりではなく、会議設計、資料づくり、ホワイトボードの仕切り、議事録作りから分担の割り振り、代理店との個別交渉、チラシやポスターのデザインや市内へのセールスや貼り出しなど、ディテールまで必要ならあらゆる仕事を何でもやる必要があります。

そのような怒涛のフェーズの中で短期的には労働集約的に働きながらも、中期的には前述の人材発掘と配置を進め、その中で長期的には少しずつ権限移譲を進めます。大体数年程度かかるものだと思います。

以上がいわゆる既存社員を前提にした中小企業再生の組織運営・人材マネジメントの王道ですが、この内容と並行できる一つの選択肢として、一定の費用と引き換えに外部の力を借りて改革を加速するという方法もありえます。

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