参院選圧勝はアベノミクスを苦境に追い込む 「黒田バズーカ」が3回目の空砲に終わる時
今年に入って、2人の日銀政策委員が任期切れに伴い黒田日銀総裁に近い人物に交代になっており、黒田総裁が追加緩和に動く際の障害はなくなっている。
しかし、追加緩和は黒田日銀にとって危険な賭けでもある。
日銀が推し進めてきた「異次元の金融緩和」は、その目的である「2%の物価安定目標」達成に効果がないことは、目標達成時期が何回も先送りされていることで、すでに証明されてしまっている。
2回連続で空砲だった「黒田バズーカ」
こうした中、円安・株高をもたらして来た「黒田バズーカ」は、最近は、昨年12月に打ち出した「補完措置」、年が明けてから今年1月に打ち出した「マイナス金利付き量的・質的緩和」と、2回連続で空砲に終わっている。
成果をあげられていない中で政策期待を繋ぎ止めるためには、金融市場が円安・株高に反応することが絶対条件になる。仮に追加緩和に踏み切ったにも関わらず市場が円安・株高に反応しなかった場合「黒田バズーカ3連敗」となり、「黒田バズーカ」は北朝鮮の中距離弾道ミサイルのように不確実な「黒田ムスダン」に格下げになりかねない。
金融市場を動かすことで権威を示そうとしてきた黒田日銀にとって、金融市場が思惑通りに動かないことが露呈することは致命的である。
これ以上、絶対に空振りすることが許されない黒田日銀にとって、マイナス金利深掘りを含む追加緩和に踏み込むことは危険な賭けでもある。
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