韓国大揺れ!「ロッテ不正資金疑惑」の衝撃度

四面楚歌状態、経営活動は完全に止まった

一方、ロッテグループでは従業員株主会によるクーデターの可能性はないとクギを刺している。グループ関係者は「日本側の昭夫氏に忠誠を誓う役職員が従業員株主会を掌握した」と強調する。流通業界では、宏之氏もまた検察の捜査から完全に自由ではない意見も多い。ロッテグループ内部では、宏之氏が経営権を奪還しても、ロッテグループの経営陣にリーダーシップを発揮できるのかという批判も出ている。

検察による今回の大規模捜査を詳細に見ていくと、目を離すことができない登場人物が存在する。創業家の女性たちだ。

中でも武雄総括会長の娘でロッテ奨学財団の辛英子(シン・ヨンジャ)理事長(74)が、ネイチャリーファーブリック社のチョン・ウンホ代表からロッテ免税店への出店について働きかけを受けたというのが疑惑の出発点だ。すでに7月7日、韓国検察は辛理事長を収賄・背任の容疑で逮捕した。辛理事長が彼女の末娘とともに株式を保有しているS&Sインターナショナルに対する捜査も進んでいる。

辛理事長は武雄総括会長の長女であり、ホテルロッテ免税店事業部の役員を務める。武雄会長と彼の最初の夫人で1951年に亡くなった故・盧順和(ノ・スンファ)氏の長女である辛理事長は、ロッテ百貨店と免税店を国内トップへ育てた、流通業界の母とも呼ばれる。1979年にロッテ百貨店が設立された後、ロッテショッピングを成長させるために30年間心血を注いできた。公式的な経営に関することがなくはなかったが、辛理事長は依然としてグループに影響力を行使している。保有しているロッテグループ企業の株式数も少なくはない。

辛理事長は3人の娘とともに「S&Sインターナショナル」という会社の株式を保有している。彼女の娘たちが注目されているのは、この会社があるためだ。2010年7月、資本金5億ウォン(約5000万円)で設立し、不動産賃貸業が主な事業だ。最大の収入源は、ソウル市江南区新沙洞にあるビルの賃貸収入だ。このビルには超高級スパであるSK-Ⅱブティックスパが入居している。2015年、同社の売上高は8億4000万ウォン(約8400万円)の全額が、このスパの賃貸料だ。

創業者長女が逮捕され、疑惑増幅

チャン・ジェヨンなる人物が株式100%を保有するこのスパは、検察が注目しているB&F通商が運営している。S&Sインターナショナルと深い関係を持つB&F通商は、前出のネイチャリーファーブリック社のチョン・ウンホ代表によるロビー疑惑において首謀者とされる会社だ。さらには、金融監督院によれば、同社の社員数が3人だが、彼らに支給された給与が8億4000万ウォンと書類に明示されており、オーナー一家の財産増殖の道具ではないかとの疑惑も呼んでいる。

ロッテ一家の女性の中で、もう一人、世間の関心を集めている女性がいる。「ミスロッテ」出身で、武雄総括会長の三番目の夫人である徐美敬(ソ・ミギョン)氏(55)だ。徐氏はロッテショッピングの株式0.1%(3万0531株)を保有しているだけで、グループ全体への影響力は小さい。そんな徐氏を検察が捜査の中心として見なすようになったのは、徐氏が所有する企業が優遇措置を受けるための事業を行い、それがグループ内の不正資金づくりの一役を担った可能性があるためだ。検察は、徐氏が同族企業を設立してロッテグループ内の資金を抜き、不正資金づくりを行ったとみている。

(韓国『中央日報エコノミスト』2016年7月4日号)
 

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