怖い!パソコンカメラに潜む情報漏洩リスク ザッカーバーグはウェブカメラを目隠し

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■理由3 ザッカーバーグはハッキングの危険にさらされている。

ザッカーバーグは最近、ツイッターとリンクトインのアカウントを乗っ取られ、プライバシー保護に関して2つの基本的なミスを犯していたことを露呈してしまった。複数のサイトで同じパスパートを使っていたと思われ、また、2段階認証を利用していなかったのだ。

しかし、今回の写真を見ると、彼は遠隔操作を防ぐ基本対策はしていたようだ。遠隔操作は技術的には非常にシンプルで、ハッカーはマルウエア(悪意のあるソフト)が仕組まれたリンクや見慣れぬウエブサイトをユーザーにクリックさせ、デバイスを乗っ取るのだ。

この対策をしている大物はザッカーバーグだけではない。米連邦捜査局(FBI)長官のジェームズ・コミーが公共ラジオNPRで語ったところによると、彼はパソコンのウェブカメラをテープで覆っており、それは驚くほど単純な理由からだ。

「ニュースで見て、真似をしたんだ」とコミーは語った。「テープを貼ったよ。私も個人のノートパソコンを持っていて、そのカメラにテープを貼ったんだ。私より賢い人たちがそうしているのを見たから」

一般ユーザーへのリスクは深刻化

大富豪や政府の要人でなくてもリスクはあると、ESETのシニア研究員スティーブン・コブはこう指摘する。「CEOじゃない人にとっての脅威は、盗撮から恐喝まであらゆる目的で、アクセス可能なカメラを探すためにインターネットをスキャンしている人たちだ」

こうした攻撃がどの程度起きているのかは専門家も定かではないが、非営利団体デジタル・シチズン・アライアンスの2015年の報告書によると、一般ユーザー、特に若い女性にとって問題は深刻化している。また、マルウエア全体の7割がトロイの木馬だという。

「トロイの木馬はずっと以前から、すべてのOSを脅威にさらす代表的なマルウエアだ」と、ESETのマイヤーズは言う。「最善の対策法は、自分のデバイスに入っているすべてのソフトウエアを定期的にアップデートし、アンチマルウエアソフトやファイアウォールなど信頼できるセキュリティソフトを使うことだ」

(C) 2016 New York Times News Services

(執筆:Katie Rogers記者、翻訳:前田雅子)
 

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