藤田晋(上)「評判を気にしすぎるとダメになる」 リーダーは自分を信じてやるしかない
――藤田さんは、著書の中で、批判に耐える力が大事だと書いていますが、ネット上の批判や意見は全部見るようにしていますか、それとも、ある程度遮断していますか。
僕は見ていますけどね。ただ、そうした批判は一部の世界であるということを意識しています。自分や自社の評判を見まくって、大変な騒ぎになっている人もいますが、それは自分の頭の中が大変な騒ぎになっているだけです。やっぱり精神的な強さが、本当に求められます。
一方で、ネット上の批判と向き合えない人も、ダメでしょうね。逃げていると、実態がわからなくなってしまうので。
――批判に耐える力は、経験によって磨かれるものですか。
そうですね。ストレス耐久力は、負荷をかければかけるほど強くなると思います。僕自身も、昔から耐性があったわけではなくて、徐々に打たれ強くなりました。ある意味、不感症になっていくというか。一回相当打たれると、それ以下のものは大丈夫になっていくみたいな感じですね。
評論家が褒めるサービスは消える
――批判されて最もつらかった時期はいつですか?
それはよく聞かれるんですが、2001年ぐらいの会社を買収されかけた時期です。それと、04年にAmebaを立ち上げたときも、黒字になるまで皆成功するとは思っておらず、ああだ、こうだとさんざん言われました。そうした批判は、数え切れません。
――つらいときに、自分を支えるのは信念が一番大きいと思うんですが、信用できる仲間がいるとか、そういう要素も大きいですか。
そういうのはあまりないです。自分を信じてやるしかない。もし僕が占いを信じていたら、社員はすごく嫌じゃないですか。自分で決めてよって思いますよね。リーダーの中でも、精神的に弱いというか、人の評価が気になって仕方がない人は、やっぱりどこかでダメになっているんですよ。
ネットサービスについて言うと、評論家みたいな人が、楽天やモバゲーやAmebaをすばらしいと褒めているのは聞いたことがないですが、実際に儲かっているのはそういうサービス。逆に評論家が褒めるサービスというのは、だいたいなくなってます。儲かりもしないし。