なぜBuzzFeedはTumblrにこだわるのか そこにある流入・収益以上の価値
BuzzFeed(バズフィード)は2015年2月、Tumblr(タンブラー)上の写真を取り上げて、自身のサイトで紹介したところ、インターネット上の一大センセーションを巻き起こした。例の「このドレス、何色に見える?」写真は、たった1日でバズフィードに2800万ビューを集めただけでなく、タンブラーの持つ力をバズフィードに知らしめることとなった。
それ以来、バズフィードはタンブラーにより注意を払っている。コミュニティチームのメンバーであるケイツ・ホルダーネス氏は、バズフィードのタンブラーページを管理している最中に、先述のドレス写真を発見した。いまではタンブラーページの管理は、彼女のフルタイム業務となっている。ドレス写真によって、バズフィードのタンブラーにおけるフォロワー数は2倍以上に膨れ上がり、100万を越すことになった。
親会社である米ヤフーは、タンブラーの経営に成功しているとは言えない状況だ。そしてパブリッシャーにとって、タンブラーからのトラフィック量は、四捨五入で消えてしまうような誤差の範囲にしか留まらない。調査会社シェアホリックによると、2015年12月におけるタンブラーからのトラフィックは、パブリッシャーたちのソーシャル・トラフィックの0.1パーセント以下であったという。
タンブラーに見出した価値
しかし、バズフィードをはじめとするパブリッシャーは、タンブラーに価値を見出していると主張している。スタイルに敏感、かつ社会においてアクティブな若いオーディエンスと出会えるプラットフォームは、ほかに無いという。たとえタンブラーから直接収益を生み出せていなくても、タンブラーに価値があると考えているのだ。
「タンブラーを開拓するのは非常に難しいように思われるかもしれない。ほかのプラットフォームから隔離された文化のように見えるからだ。しかし、個人的には私のお気に入りのプラットフォームだ。私たちはタンブラーがひとつのコミュニティのように話すことがあるが、実際は何十万もの小さなコミュニティによって構成されている。(メインストリームのプラットフォームでは)取り上げられることが少ないタイプのオーディエンスにアクセスすることができる」。