「ワンオペを嫌う人の考え方は大きな問題だ」 気鋭の若手経営者が考える「働き方」の未来

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私でさえも、90年代の終わりに就活をしましたが、ベンチャーという選択肢を親と話した時に、「ベンチャーというのは脱サラみたいなもので、社会でうまく適合しない人がやっているのよ」みたいな言説が出てくるような感じだったわけです。

現在も残っている新卒一括採用のあり方は、高度経済成長を前提とした、いわゆる大企業主体型の20世紀のフォーマットといえます。高度経済成長で大企業があって、正社員で終身雇用……ということが、一つのストーリーになっている。

吉田浩一郎(よしだ こういちろう)/一般社団法人新経済連盟理事。株式会社クラウドワークス代表取締役社長兼CEO。1974年兵庫県神戸市生まれ。東京学芸大学卒業後、パイオニア、リードエグジビションジャパンなどを経て、ドリコム執行役員として東証マザーズ上場を経験した後に独立。事業を拡大する中で、ITを活用した時間や場所にこだわらない働き方に着目、2011年11月に株式会社クラウドワークスを創業。2014年12月東証マザーズ上場(撮影:梅谷秀司)

――最初に入った会社に「就社」することを前提とした、「メンバーシップ型」の働き方ですね。一方で、欧米諸国は職種に人を当てはめる「ジョブ型」が一般的といわれている。

年明けからしばらくアメリカのサンフランシスコにいたのですが、そこでは個人の価値観の違いというのを非常に強く感じました。例えば、平日の仕事終わりの夕方から、会社の人たちと飲みに行くことは、かなりレアケース。普通は、友達か、家族か、恋人と過ごします。サンフランシスコの人々にとっては、企業があって、家族があって、宗教があって、プライベートな友達がいて、それぞれフィールドが違う。会社というのは、自分の世界を構成する一つでしかない。

一方で、日本は新卒で入ったら、しばらくは当たり前のように会社のメンバーと毎日毎日、「飲みに行こうよ」みたいな感じですよね(笑)。土日は社員旅行で、家族も呼んでバーベキューしたり……。

ロボットが台頭する中で、自分は何ができるか

――時代は変わったといっても、日本ではまだまだ「会社=生活」という側面が大きいですよね。

会社という器が家族のようであり、宗教のようであり、学校のようでもある。様々な側面が日本企業の中に詰まっているわけですね。

しかし、日本経済自体が、メンバーシップ型を許容できる社会情勢にありません。非正規社員も増加していますし、高齢化社会で65歳以上が、今現在でも4人に1人。2040年に3人に1人になっているわけです。現実的には、少なくとも5割以上はジョブ型も含めた、別の形にシフトしていかないといけない。

――「働き方」の選択肢が多様化していくことは、現実的になっている。「メンバーシップ型」、「ジョブ型」という分類だけでは、収まらないような気がします。

今後は、「あなた自身の働き方の価値観って何ですか?」あるいは、「あなたの人生において『幸せ』ってどういうふうに捉えていますか?」ということに対して答えを出していかないと、本当の意味で働き方を決められない時代に入っていますよね。自分自身で働き方をデザインしていかないと、今の瞬間はいいかもしれないですけど、5年後、10年後、働き続けられる保証というのがそもそもない。そういう時代になってきている。

非正規の働き方、フリーランスの働き方があるし、先々はロボットも含めた働き方がある。この全体像の中で、「あなたは何が発揮できるんですか?」ということに、話は拡大しています。だから、我々としてはさらに一歩引いた形で、「パートナーシップ型」というかたちを考えている。個々人で濃淡はありますけど、終身で個人と企業が協力関係を築いていくというイメージです。

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