高値メドは1800ドル、世界景気回復なら下落も 13年の金価格はどうなるか
90年代には多くの中央銀行が金を売って米ドルの準備を積み増す動きを見せ、あまりのすさまじさに、ついに99年にはワシントン協定が結ばれて、中央銀行の金売却を抑制する事態に至った。金融市場において、金の存在価値が窮地に立たされた時期である。
主要通貨乱発で相対的に価値が向上
しかし、「モノ」としての金は、この間、消費を伸ばした。97年から2001年まで間、世界の金の宝飾品向け需要は、5年連続で3000トンの大台を超えた。先進国中央銀行の金売却によって価格面で割安感が出たことに加え、経済成長の加速した中国など新興国で宝飾品需要が伸び始めたためである。
そして07年ごろになると、サブプライムローンの問題が米国に影を落とし始めた。ついに08年9月のリーマンショックに至った。この未曾有の経済危機は金相場をも急落させたが、それ以上に米国および米ドルへの信認を崩壊させた。
結果として、米国はもちろんのこと、世界中の中央銀行が大規模な金融緩和を実施し、市場にばらまかれた過剰な流動性資金の相当量が金市場にも流れ込んだ。乱発に伴う主要通貨の価値低下が、簡単に増やすことのできない金の相対的な価値を押し上げる結果となったのである。
先進国の投資家による金投資は、先物を通じる場合もあるが、近年、一般的となっているのがETFである。
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