EU去る英国、足元で直面する3つの「懸念」 トランプ的ポピュリズムに騙された国の将来

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国民投票は国家主義政治の復活という結果を生み、結局はいつも人種、移民、陰謀論へと行きつく。われわれ全員が親欧キャンペーンにおいて果たすべき任務は、離脱運動を促進する圧力があったこと、過去に世界中に友人ができて尊敬されるようになった原因となった価値観を捨ててはいないことを強く主張することである。

若い世代は一生悔やむことに

EU離脱を選択した国民投票はある意味、ウィンストン・チャーチルの欧州統合に対する不干渉主義の行き着く先であった。そして彼の、割と有名な格言の1つが思い出される。「政治的な自殺をするのが厄介なのは、それを一生後悔する羽目になるということだ」

実のところ、「離脱」に賛成票を入れた人々の多くがそれを一生後悔することはないのかもしれない。しかし、EU残留賛成が圧倒的だった英国人の若い世代はほぼ確実に、一生悔やむことになるだろう。

クリス・パッテン 英オックスフォード大学名誉総長

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Chris Patten

元英国保守党議員で最後の香港総督。欧州委員会外交専門部会委員、英オックスフォード大学総長を歴任。

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