遠藤功「Made in Japanにこだわる日本電子」 ニッポン中堅企業の秘めたる爆発力

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日本電子にはこの「ダントツの強み」がある。「世界一」にこだわり、「日の丸技術」にこだわり続けている。

その研究開発力の高さは、世界的な科学誌への論文掲載の実績を見ても分かる。2012年度上期だけでも、日本電子の技術者が書いた論文が計4本も『Science』と『Nature Photonics』に掲載されている。(いずれも共同論文)1本でも快挙だと言われる中で、4本というのは日本電子の技術水準の高さを象徴している。

栗原社長が目指すのは、「どこにもない会社」「オンリーワンカンパニー」だ。規模こそ売上高800億円、グループ従業員数2800名の中堅企業だが、そこには独自の「尖り」「際立ち」がある。

日本にこだわるからこそ、世界で戦える

そして、中堅規模だからこそ、社長の適切な舵取りによって会社がひとつにまとまり、方向性が社内で徹底され、競争力に磨きがかかる。「世界一」にこだわり、「日の丸」にこだわっている会社が、ひとたび収益意識を持てば強い。

栗原社長は、創業者の「科学技術で戦後復興に貢献したい」という思いを、東日本大震災からの復興とダブらせる。大震災から立ち直り、日本という国が再生を果たすために、日本電子に何ができるのかを自問自答している。

そして、彼はこう付け加える。「日本にこだわるからこそ、世界で戦える」。

思いを受け継ぎ、世界で戦う。日本電子は日本のものづくり企業のひとつの生き方を示してくれている。

遠藤 功 シナ・コーポレーション代表取締役

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えんどう いさお / Isao Endo

早稲田大学商学部卒業。米国ボストンカレッジ経営学修士(MBA)。三菱電機、複数の外資系戦略コンサルティング会社を経て現職。2005年から2016年まで早稲田大学ビジネススクール教授を務めた。

2020年6月末にローランド・ベルガー日本法人会長を退任。7月より「無所属」の独立コンサルタントとして活動。多くの企業のアドバイザー、経営顧問を務め、次世代リーダー育成の企業研修にも携わっている。良品計画やSOMPOホールディングス等の社外取締役を務める。

『現場力を鍛える』『見える化』『現場論』『生きている会社、死んでいる会社』『戦略コンサルタント 仕事の本質と全技法』(以上、東洋経済新報社)などべストセラー著書多数。

 

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