サーブ、欧州の名車ブランドが消滅する意味 自動車ブランド構築の流れが変わってきた
自動車ブランド「サーブ」が2017年をもって消滅
70年の歴史を有するスウェーデンの自動車ブランド「サーブ」(SAAB)が2017年をもって消滅することが決まった。サーブの運営会社である、スウェーデンのナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)が、2017年に初の量産EV(電気自動車)を導入するにあたって、新ブランドを「NEVS」とすることを6月21日に発表。サーブの商標ブランドを使用しないことを表明した。
1980年代、バブル経済とともに日本に最初の輸入車ブームが訪れたころ、サーブは独特のスタイリングで人気を博し、ファッショナブルな憧れの輸入車として注目を集めていた。創業70年のブランド消滅の陰には、いわば自動車産業の長い歴史の縮図が隠れている。
サーブというブランドネームの端緒は1937年、Svenska Aeroplan AB(SAAB)、すなわちスウェーデン航空機会社が創業されたときにさかのぼる。当初は軍用機の製造だけを目的としていたが、第二次大戦の終戦とともに民間機の製造、そして自動車の製造にも進出する。
1945年にはSvenska Automobile ABを創業。飛行機会社から自動車会社を派生したという経緯はスバルやBMWと共通しており、これらの2社と同様、航空機技術を自動車産業に転用したことがサーブの特徴であった。
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