アコーディア攻防戦に旧村上ファンド関係者 SBI大株主浮上のレノ参戦

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アコーディアに対するTOBの理由を説明するPGMの神田有宏社長(11月15日、撮影:今井康一)

PGMによるアコーディア株の買い付け期間は11月16日~今年1月17日まで。買い付け価格は8万1000円と、TOB発表直前のアコーディア株価に対してプレミアムを50%超もつけた価格に設定されていた。

ただ、PGMがTOBによる買い付け上限を保有割合50.1%相当(応募株数がこれを超える場合は按分比例で買い付ける)とし、TOBに応募しても全株を8万1000円で買い取ってもらえる保証がないため、アコーディアの株価はTOB発表直後に7万円台半ばまで上げた後は、横ばいで推移していた。

総選挙での自民党圧勝を受けた“安倍バブル"で日経平均株価が1万円大台に乗せた12月下旬以降はアコーディア株も騰勢を強め、昨年大納会の12月28日には終値ベースで8万0400円と8万円大台に到達。TOB価格との差を縮めていた。

12月25日以降、猛烈に買い上げる

当時は全体相場上昇に伴う株価上昇とも見られたが、レノが今回提出した大量保有報告書によると、同グループが取得したアコーディア株14万4915株(株券等保有割合13.75%)のうち、12月25日~1月4日の5営業日だけで9万2550株(同8.78%)を取得。12月下旬以降のアコーディア株の上昇は、同グループの猛烈な買いも押し上げの一因となった可能性が高い。

レノによる大量保有が明らかになった翌日の1月8日にはアコーディアの株価は一時8万2800円とTOB価格を大きく上回った(同日の終値は8万0800円)。

突如、ゴルフ2強の買収攻防戦に参戦したレノグループの正体が気になるところだが、レノの役員の多くは実はかつての「村上ファンド」の出身者。大量保有報告書に記載されたレノの代表取締役である三浦恵美氏は、旧村上ファンドでは広報担当責任者などを務めた幹部としても知られる。レノは昨年10月には、SBIホールディングスの大株主に急浮上し、話題を呼んだこともある。

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