好調な業績とは裏腹に株価の低迷が続くカルビーに対し、株主は甘くなかった。
スナック菓子の最大手メーカー・カルビーは、6月22日に株主総会を開催。2015年とほぼ同数の687人の株主が駆け付けた。
出席した株主への取材で浮かび上がってきたのは、好調ゆえに高い期待を持つ、株主の目の厳しさだった。
最高益でも株価は3割下落
カルビーの2016年3月期決算は、シリアル食品「フルグラ」が大きく伸びて、売上高2461億円(前期比11%増)、営業利益281億円(同16%増)、純利益は167億円(同19%増)と、いずれも過去最高を更新した。にもかかわらず、株価がふるわない。
総会前日の6月21日、カルビーの株価は年初来安値の3855円を記録した。これは2016年の始値5040円と比べ2割以上安い。2015年最高値の5700円からは3割以上の下落となっている。
「好調な業績と株価とが矛盾しているのではないか」という株主からの質問に対し、松本晃会長兼CEOは、「2017年3月期の計画がやや保守的だからではないか」と答えた。
とはいえ、カルビーの2017年3月期計画は、6%の増収と10%の営業増益。ほかの多くの食品メーカーが横ばいか減益を見込んでいるのと比べれば、十分健闘しているといえる。
だが、株主はそれでは満足しない。前期の増収増益率より鈍化している点に物足りなさを感じているようだ。
業績に関する質問が相次ぐ。2016年3月期の営業利益率は11.4%(前期比0.5ポイント増)で、期初計画に0.6ポイント届かなかった。
「成長が鈍化しているのではないか」という株主からの指摘に対し、松本会長は2つの"期待外れ"について言及した。
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