団塊世代が引退したら、日本は変わるのか? 藤原和博(その7)

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渡邉:ただ、年金がもらえて一応生活には困らないだけ、幸せなんじゃないですか。

藤原:住宅ローンが終わっていれば、年金だけでも食えるだろうね。厚生年金があれば、月に20万円以上入ってくるから。

渡邉:課税しない限りは、団塊の世代は、貯金を抱え込んだまま死んでいくんですよ。しかも、団塊世代から団塊ジュニア世代への相続が起きるまでには、あと20年ぐらいかかる。だから、1500兆円の個人金融資産は塩漬けになると思いますよ。

藤原:相続を早めるには、生前贈与を圧倒的に有利にするしかないよね。37歳から42歳くらいの世代に、少なくとも住宅はドンと相続できるようにするとか。

渡邉:そうですね。

――政治力という点で、団塊世代のもつインパクトはどう分析していますか。団塊世代は、数が多いですし、投票率も高いので、政治的な影響力は持ち続けますよね。

藤原:安倍さんを支持しているのは、誰なのかな。もしかしたら、団塊世代かもね。

渡邉:むしろ、若い世代のネット右翼系の人じゃないんですか。

藤原:今はけっこう右翼っぽいことを言うほうが受けるから。

渡邉:非常に残念なことに。

――団塊の世代が表舞台から去り、藤原さんのような団塊後の世代が各分野で中枢を占めるようになると、日本は変わるんでしょうか。

藤原:今私が一番面白いと思っているのは、40代前後の人たち。グロービス代表の堀義人さんが、次世代のリーダーを集めたG1サミットというイベントを毎年開いているけど、そこに出てくるメンバーはけっこう変わっていて面白い。

たとえば、(経営共創基盤CEOの)冨山和彦さんなんてイケテルでしょ。ああいう孤高な感じがする人がいい。彼のように、とても力強い人材が40代前後にはいる。

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