迫る最後の審判、英国はEU離脱か残留か

日本時間で金曜日の午後に結果が判明

こうした離脱派の主張は大なり小なり残留派の国民も共有している。敢えて単純化すると、EUを離脱すると経済的なダメージが大きそうなので、EU内に留まって改革を促していこうとするのが残留派で、EUは英国の問題提起に耳を傾けようとしないので、一生に一度あるかないかの主権を取り戻すチャンスに賭けてみようと考えるのが離脱派だ。EUに対する不満は根っこの部分で共有しているからこそ、これだけ世論を二分する。

16日に労働党の女性議員が一般市民に銃撃される痛ましい事件が発生し、英国社会に悲しみと衝撃が広がっている。

被害者が残留派の議員で、犯人が反移民思想の持ち主だったことから、離脱派が移民問題を投票キャンペーンの前面に打ち出すことが難しくなるとの見方や、事件発生から数日間、残留派・離脱派双方が投票キャンペーンを休止したことで、このところの離脱派の追い上げの勢いが削がれるとの見方が広がっている。

残留派が巻き返すもなお流動的、予断許さず

ブックメーカーの賭け率から計算した残留の確率は、事件発生前の60%台前半から、21日時点で80%前後に上昇している。

事件発生後を調査期間に含む世論調査はこれまで4つ発表されている。Survation社の調査は事件前に離脱支持が3%ポイントリードしていたが、事件後は残留支持が3%ポイントのリードに逆転した。Opinium社の調査では、一週間前に残留支持が離脱支持を2%ポイントリードしていたのに対し、事件発生後はイーブンとなった。YouGov社の調査は2つ発表され、事件発生前の2%ポイントの離脱リードから1%ポイントの残留リードへ逆転した後、最新の調査では2%ポイントの離脱リードに再逆転した。

政府はテレビCMなどを通じて、投票率が低く、残留支持の割合が多い若者の投票参加を呼びかけてきた。6月7日の夜にウェブ経由での有権者登録の期限を迎えたが、締め切り直前に登録ウェブサイトがクラッシュするトラブルに見舞われ、登録期限が2日延長された。ウェブサイトがパンクするほど駆け込み登録が殺到したことを意味し、登録期限の延長が英国メディアで大きく取り上げられたこともあり、有権者登録の数は伸びた可能性がある。この点は残留派に有利に働くことが予想されよう。

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