マツキヨが高額PBで攻めるワケ 流行を追わず、顧客ニーズを追求
第1弾として2007年に自社規格で投入したアンチエイジング化粧品「レチノタイム」が大ヒット。一部商品はテレビ番組で取り上げられ、口コミサイトでは高い評価が拡散した。店頭販売員の意見をもとに開発は予想以上の成果を出した。
「はやっているものの後追いで商品を出しても売れない」と、青山仁美・マツキヨ商品部化粧品課主任は語る。たとえば、冒頭に登場したアルジェランは、近年話題の紙への負担が少ないノンシリコンという要素に加え、まだ一般化していないオーガニックの要素も取り入れた。1回分の安価なお試しキッドも用意して、より気軽に買えるよう工夫した。今年10月末の発売で、11月にはマツキヨで扱うインバスカテゴリー(風呂場の中で使う商品)の中でトップの売上高をたたき出している。
マツキヨは高付加価値PBでさらなる進化も図っている。
接客のノウハウを商品開発に生かす
今年4月からは、店頭で接客業務を担う女性スタッフが正式に商品開発チームに加わった。薬剤師の及川咲友未氏もその1人。化粧品や健康食品のPBだけでなく、「医薬品PBも改善していきたい。対象年齢や錠剤の大きさがわかりにくいものが多く、スタッフにとっても説明しやすいパッケージにできるはず」。
現場のスタッフが開発に加わったことで、店頭でのPB商品の打ち出し方にも変化が出始めた。薬剤師の仕事の傍ら、家に帰れば家事もこなす及川氏。「アルジェラン」の陳列方法を考える際には、「主婦」の目線を大事にしたという。
「主婦ならシャンプー一つ買うのにも、赤ちゃんや旦那さんにも使えるかな? と考える。私の店の顧客にはファミリー層が多いので、店頭でも『赤ちゃんにも使えます』というキーワードを前面に出した」。総じて20~30代の女性顧客が多いマツキヨだが、もちろん立地によっては事情が異なる。各店の顧客層に精通している販売スタッフとタッグを組むことで、より綿密な売り場作りを追求できる。
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