円全面高、英EU離脱問題で1ドル105円台に 対ユーロで3年超ぶりの円高、次の節目は?
[東京 13日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、前週末のニューヨーク市場午後5時時点に比べ、顕著にドル安/円高の105円後半。英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる不透明感がもたらすリスク回避が広がるなか、アジアの株式市場が大幅安となり、為替市場では円が全面高の展開となった。
ドルは、朝方の高値106.95円から一時105.73円付近まで下落し、5月3日に付けた年初来安値、105.55円に迫った。106円付近では一部の輸入企業のドル買い/円売り興味が観測されたが、打診買い程度の規模だったという。
市場では「年初来安値は意識されるかもしれないが、流れとしては105円ちょうどを狙う動きが強まりそうだ」(国内銀)との意見が複数聞かれ、引き続き下値リスクが警戒されている。
一方、「ここでドルが105―105.55円のゾーンを維持できれば、テクニカルにはダブルボトムを付けることになり、反発の芽も出てくる。一方、105円を下抜けると、次の目標が100円となり、投機筋も呼び込みやすくなる」とみずほ証券投資情報部、チーフFXストラテジスト、鈴木健吾氏は言う。
円が全面高となるなか、対欧州通貨での円高が特に目立った。
英ポンド/円<GBPJPY=>は、朝方の高値152.87円から一時150.12円まで下落し、2013年8月以来、2年10カ月ぶりの安値をつけた。
ユーロ/円<EURJPY=EBS>は、朝方の高値120.33円から一時119.00円まで下落し、2013年2月以来、3年4カ月ぶり安値を付けた。
11日に公表された世論調査によると、英国の欧州連合(EU)離脱を支持する人と残留を支持する人の割合は依然として拮抗(きっこう)している。
中国の小売売上高などの経済指標が発表されたが、概ね市場予想通りの結果となり、これまでのところ相場の反応は限定的となっている。5月の中国小売売上高は前年比10.0%増(市場予想10.1%増)、鉱工業生産は前年比6.0%増(同5.9%増)と、ほぼ市場予想通りの着地となった。一方、1─5月の固定資産投資は前年比9.6%増で市場予想10.5%増を下回った。
ドル/円<JPY=> ユーロ/ドル<EUR=> ユーロ/円<EURJPY=>
午後3時現在 105.80/82 1.1249/53 119.02/06
午前9時現在 106.48/52 1.1236/40 119.65/69
NY午後5時 106.92/95 1.1254/59 120.36/40
(為替マーケットチーム)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら