舛添騒動の影響は大丈夫?「地域医療構想」

都民の健康を守る医療提供体制はどうなる

地域医療構想とは、各都道府県下の地域(二次医療圏など)ごとに、2025年に目指すべき医療提供体制(病院や在宅医療などの整備)を、地域の実情と医療データに基づいて示すものといえる。地域医療構想の狙いなどについては、東洋経済オンラインの当連載の拙稿「少子高齢化社会でも日本の医療費は見直せる 地方の医療を救う『病院再編』とは?」でも述べたところである。

そもそも、東京都知事は、医療にまつわる権限をたくさん持っている。具体的には、病院開設の許可、地域医療支援病院の承認、医療法人の認可などである。

権限を持つからには、それをどう行使するかについて、事前に都民の声を聴きつつ方向性を示しながら進めていくことになる。東京都知事は、東京都内のどこにどれだけの病院や病床(ベッド)を置くべきか、各地域における地域医療支援病院をどう整備するか、医療従事者をどう確保するかなど、東京都における医療を提供する体制の確保に関する計画を作成して、都民に示すこととなっている。まさに、東京都下で地域ごとに、どう医療提供体制を確保して、都民の健康を守るかが問われる。

今のままでは5600床のベッドが足りない

このように、東京における医療をどうするか、都知事の意向は重要である。特に、東京都下の各地域で2025年に目指すべき医療提供体制を示すべく、目下策定が佳境を迎えている「東京都地域医療構想」は、東京都知事の名で出されることとなるのだが、このような状況で、舛添都知事ははたして「トップリーダー」の役割を発揮できるのだろうか。

5月17日に開催された第11回東京都地域医療構想策定部会にてその案文が公表された。そこには、患者の動向と医療機関の体制との間のミスマッチをできるだけなくそうと利害調整もなされ、それを踏まえた生々しい数字も記されている。

東京都地域医療構想(案)」によると、東京都下には、現在(2014年度)10万8118床のベッドが医療機関にある。それが、2025年度における東京都下の患者数の予測を踏まえて必要となる医療機関のベッドを推計すると、11万3764床になる、と記されている。ここでは、東京都民でありながら神奈川県や千葉県などの医療機関に入院する人も、逆に埼玉県民や神奈川県民で東京都下の医療機関に入院する人もいることを踏まえている。

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