長期金利が過去最低更新、今後はどうなる? 日銀マイナス金利深掘り警戒再浮上
10日の円債市場は、朝方に中期ゾーンにまとまった買いが入ったのをきっかけに、金利低下に拍車がかかった。買いの主体は銀行勢や海外勢とみられているが、その矛先は長期・超長期に波及。10年債利回りは一時前日比2.5bp低いマイナス0.155%、20年債利回りは同2.5bp低い0.190%と過去最低を更新。5年債利回りも同1.5bp低いマイナス0.265%と過去最低に並んだ。
マイナス金利政策を深堀り?
9日午後からささやかれていた追加緩和の思惑が、6月15─16日の金融政策決定会合で日銀が追加利下げに踏み切るとの観測に「前のめり」した。日銀はこれまでサプライズ緩和を繰り返しており、マイナス金利政策を深堀りするリスクを否定できないとして「一部参加者が、それをヘッジするオペレーションをしているようだ」(外資系証券)との見方が広がった。
ある国内金融機関の債券関係者は「マイナス金利が拡大すれば、10年債でマイナス0.25%程度、20年債でゼロ%程度が利回り低下のメド」と話す。
米連邦準備理事会(FRB)の6月利上げの可能性がほぼ消滅。中国発の信用不安悪化に対する警戒感が強まっているほか、「英国がEUを離脱すれば金融市場の混乱が避けられず、先進国の国債に逃避資金が流入することが予想され、そのヘッジとして買われている面もある」(邦銀)という。
みずほ証券・シニア債券ストラテジスト、丹治倫敦氏は「日銀会合に向けて、金融政策の思惑が浮上しやすい。国債買い入れが限界に近づいているため、追加手段としてマイナス金利の拡大は有力な選択肢になってくるのではないか」とみている。
(星裕康 編集:田巻一彦)
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