長期金利が過去最低更新、今後はどうなる?

日銀マイナス金利深掘り警戒再浮上

 6月10日、10年最長期国債利回り(長期金利)<JP10YTN=JBTC>が、約2カ月ぶりに過去最低を更新した。写真は都内で2010年8月撮影(2016年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 10日 ロイター] - 10年最長期国債利回り(長期金利)<JP10YTN=JBTC>が10日、約2カ月ぶりに過去最低を更新した。欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う英国民投票への警戒感や、世界的な景気懸念に加え、日銀がマイナス金利幅を拡大しつつ追加緩和に踏み切るとの観測が市場で再浮上し、金利低下圧力が強まった。

思惑呼ぶMUFG系証券の大量落札

国内銀行最大手の三菱東京UFJ銀行が「国債市場特別参加者(プライマリーディーラー、PD)から離脱する方針が明らかになった翌日の9日、5年国債入札における系列の三菱UFJモルガン・スタンレー証券の落札額に、市場参加者は度肝を抜かれた。

市場筋によると、同証券の落札額は1兆2000億円と、発行予定額(2兆4000億円)の約半分。国債入札において、入札参加者の応札は発行予定額の2分の1に制限されており、三菱UFJMSは単純計算で応札限度額いっぱいの規模を落札した計算だ。

落札利回りは、最高がマイナス0.230%、平均がマイナス0.232%と5年債入札として過去最低を記録した。マイナス金利を積極的に買い進む国内投資家は少ないとみられていたが、「今後、一段と金利が低下するという確信がないと、1.2兆円の金額を落札することは難しい」と、外資系証券の債券関係者は驚きを隠せない。

三菱東京UFJ銀のPD離脱方針が明らかになった8日は、マーケットで日銀のマイナス金利「封印」観測が台頭した。他のメガバンクもPDを辞退するようになれば、国債市場が混乱するリスクが高まる。それを日銀が回避するために、マイナス金利の「深掘り」を当面回避するとの見方だ。

ただ、9日の5年債入札後の動向を見て、今度はマイナス金利の深掘りを含めた日銀追加緩和の思惑が、一転して高まっていった。

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