無料通話LINEがゲームを一般から募るワケ 賞金は1000万円

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スマートフォン向けの無料通話・メールアプリ「LINE」。世界で8700万人、国内でも3600万人が利用し、今もユーザー数は増え続けている。さらなる上積みを狙って、運営会社のNHN Japanが動いた。

NHN Japanは12月19日、「LINE」上で展開しているゲームのタイトルを一般から募集する「LINEコンテスト」を実施すると発表した。賞金は1000万円で、応募資格は企業、個人を問わない。

一般からの募集に踏み切ったのは、ゲームの充実によりLINEのユーザー数をさらに拡大するためだ。NHN Japanは、その基盤を生かしてさらに事業を拡大するため、今年7月に外部のコンテンツ事業者と協業してゲームや占い、クーポンなどのサービスをLINE上で提供する「プラットフォーム」戦略を打ち出した。今回のコンテストもその一環だ。

現在のタイトル数は6本

現在、NHNがLINE上で展開する「LINEゲーム」のタイトル数は6本と少ない。その理由について「まずは実績が大事と判断し、LINEとの相性がいいのか、ちゃんと収益が上がるのかを考えた」と森川亮社長(=タイトル下写真=)は話す。

スマホ向けのゲームはグリーやDeNAが圧倒的に先行している。後発で戦うために、LINEの強みである人とのコミュニケーションを生かした新しいゲームを作る方針にした結果、開発が先延ばしになったものやキャンセルになったものがあるという。

ただ、サービスを始めた6タイトルについては、ダウンロード数が累計3000万を突破する勢いで「ある程度の実績は出せたと委思う。ビジネス面でも損のないパートナーシップを組めると判断した」(森川社長)。今回のコンテストのほか、ゲーム開発会社との協業などによって、月5本以上出していく予定だ。

年内に1億人のLINEユーザー獲得を目指しているNHN。前日の17日も新サービスを発表。共通の興味関心を持つユーザー同士が交流できる「LINE Cafe」や自分の分身キャラクターを使ってコミュニケーションできる「LINE Play」を投入している。DeNAの「comm(コム)」、ヤフージャパンが連携する「カカオトーク」などLINEと同様のサービスとの競争が激しくなる中、続々と新しいサービスを投入し、差別化を図る。

中島 順一郎 東洋経済 記者

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なかしま じゅんいちろう / Junichiro Nakashima

1981年鹿児島県生まれ。2005年、早稲田大学政治経済学部経済学科を卒業後、東洋経済新報社入社。ガラス・セメント、エレクトロニクス、放送などの業界を担当。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、ニュース編集部などを経て、2020年10月より『東洋経済オンライン』編集部に所属

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