1万0200円達成視野、下値は9250円 日経平均の年内の上値は?

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衆議院選挙前には「選挙後は材料出尽くしでいったん売り」という見方が大勢だったが、実際は上昇で始まった選挙後の相場。年末から2013年春に向けての見通しはどうか。DZHフィナンシャルリサーチの日本株情報マネージャー、東野幸利氏に聞いた。

同氏は、11月初旬時点、まだ野田佳彦首相の衆院解散発言が出る前に「年内9900円達成」を公言。当時の日経平均株価は8700円台だったが、慎重なアナリストも多い中、見事に的中させた格好だ。

目先調整があっても、円安・株高トレンドは終わらない

 

――年内の日経平均株価の上値メドは?

日経平均は今年の3月高値、昨年の7月高値が重なる1万0200円水準までは上昇してもおかくしはない。

しかし、過熱感が出ているため、一気にそれ以上上昇するのは難しいだろう。むしろ目先は調整リスクも高まっている。

きっかけとなりそうなのは今週19~20日に開催される日銀の金融政策決定会合だ。現在のマーケットでは追加緩和を織り込みつつあるが、今回の金融政策決定会合では、緩和が見送られる可能性もある。

――緩和が実施された場合は?

追加緩和を行ったとしても、目先は材料出尽くしとなるのではないか。

しかし、それによりこれまでに円安・株高トレンドが終焉するとは見ていない。あくまで一時的な調整で、来春に向けて再度、円安・株高基調に戻るだろう。

――調整した場合の日経平均株価の下値メドは?

日経平均で9250円。ここまでの押しであれば、相場が崩れる心配はなさそうだ。ただ、中長期的な上場相場が続くには、適度な調整や下値固めの期間が必要だ。

調整に入れば、その期間中は、ここまで急反発した輸出関連株は停滞を余儀なくされるかもしれない。しかし、出遅れセクターはまだ残されている。メガバンクなどの金融セクターが次に循環物色される可能性もあるだろう。

(聞き手:「株式ウイークリー」編集長 藤尾 明彦)

 

 

 

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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