新築マンションの9割が「欠陥マンション」だ なぜマンションは完成前に販売されるのか
新築マンションを購入するということは、このようなリスクを背負うこともセットでついてくるのだということを、まずは認識してください。私は現在、賃貸マンションに住んでいますが、かつては新築マンションを購入して住んでいたこともあります。売却して賃貸派になったのは、建築検査に携わる中で、マンションにまつわる諸問題の大きさを知り、賃貸のほうがリスクが少ないと判断したからです。
とはいえ、やはり自分のマンションが欲しい。そう思う方には、「2003~2005年竣工(築11~13年)で、なおかつ大規模修繕を実施済み」の物件がお勧めです。中古マンションと侮るなかれ。後の2006~2007年ごろの不動産プチバブルと言われていた時期に竣工したマンションに比べ、地価も平均工事単価も低かったため、全体的に割安といえます。
ただ、築11~13年経過程度であれば大規模修繕を実施していない物件もあるでしょう。その場合は、2000年以前に竣工した物件で、1回目の大規模修繕を実施済み物件(築16年程度)。築年数を気にしないのであれば、2回目の大規模修繕を実施済み物件(築20年程度)も候補に挙がります。
「経年劣化」か「危険な不具合」かの見分け方
最後に、これからマンション購入を予定されている方も、すでにマンションを購入してお住まいの方もできる、自分で欠陥をチェックする方法をご紹介します。万が一、欠陥が見つかってもきちんと対処すれば問題は解決しますので、怖がらずに確認してみて下さい。
画像は既存マンション調査で発見したコア抜き。配管が通っていますが、孔に入れた鏡に映っている楕円形のシミ(囲み部分)のようなものは、切断された鉄筋です。耐力上の影響があるので補修の対象です。
写真はクラック(割れ目)が深くまで発生し、雨水などの水分が鉄筋に到達しさびが発生、そのさび汁がコンクリート表面に現れたと懸念されるケースです。欠陥ではなく塗装劣化の場合もありますが、念のため専門家に調査を依頼しましょう。
(2)の状態が進行すると、さびた鉄筋が膨張し、コンクリートを破壊する爆裂が発生する危険があります。写真は既存マンション調査で発生した爆裂痕。囲った部分がさびて膨張した鉄筋です。コンクリート片が落下しやすくなり、その範囲が大きいとケガなどの人的被害も発生するので要注意です。
5月20日に上梓した『新築マンションは9割が欠陥』では、高品質のマンションを購入するためのノウハウや、自分のマンションに不具合が見つかった場合の解決策について詳しく述べています。みなさまの「住まい」選びの参考になさってください。
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