足元の薄商いは「モミ合い放れ」が近い前兆だ 「上昇か調整か」を決める6月の経済イベント
6月14~15日、米連邦準備制度理事会(FRB)が予定されている。4月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨をきっかけに6月の利上げの観測が再び強まりつつ、米フェデラルファンド(FF)金利先物から算出する利上げ確率は20%~30%台まで上昇した。ただ、過去25年間において市場の利上げ確率が75%未満でFRBが動いたケースはみられない。
仮に米利上げが年内1回になった場合、足元の円安の流れも一時的なものにとどまろう。経常黒字で対米貿易黒字でもある日本の為替介入を米国が許容するのは想定しづらいなか、米金融市場の方向感がとらえにくくなっている。一方で、6月3日発表の米雇用統計などが改善を示せば、早期米利上げを織り込みつつもう一段の円安が進むかもしれない。
もしも英国がEUを離脱したら
6月23日には英国のEU離脱(Brexit)を問う国民投票が控えている。残留派はキャメロン首相を中心に経済的なメリットを説き、離脱派は現政権への不満や移民問題を投げかけるなど対立している。欧州統合の流れに逆行するだけでなく、世界経済に対してリスクをはらむ。仮に英国がEU離脱した場合、「1年以内」にポンドは10%超下落し、英消費者物価指数(CPI)は2.3~2.7%上昇し、「2年以内」に少なくとも50万人近くが職を失う可能性がある、と英財務省が見解を示している。
5月中の東京市場は薄商いが続きそうだ。26日からの主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)での合意内容を市場参加者は見極めたいなか、30日は米国市場がメモリアル・デーで休場となる。6月の日本株はサマーラリーといわれる上昇基調を強めていくのか、それとも原油市場の波乱等をきっかけに再び調整するのか。米利上げの実施か見送り、英国のEU残留か離脱に目配りが必要だ。
その一方で、日本株は2月安値1万4952円を起点に下値を切り上げている。中国株安、原油安、円高など下振れリスクを織り込みながら、1万6000円台を値固めしつつある。テクニカル面では10日線や25日線、75日線が1万6500~1万6700円前後で収束しており、三角保ち合いを放れるタイミングは徐々に近づいている。
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