アメリカでさえ鉄道が復権する時代が来る−−葛西敬之・JR東海会長

--アメリカでさえ鉄道を考える時代。中国を中心としたアジアの大量高速輸送を考えるとき、日本型モデルの導入がポイントになる。

モデルとしてはね。

--アジアの時代に日本型モデルを積極的に輸出していくべきでは。

中国もベトナムもインドも鉄道に関心がある。ただ、その国その国の政治情勢、工業性があって、東海道新幹線みたいなものが働きうるところは少ない。たとえば砂漠で動かしたらどうなるか、シベリアの極寒の地で動くかどうか。われわれの経験しない分野です。インドとかベトナムなら何とかなるんでしょう。

--中国はダメですか。

中国には知的所有権の環境が整っていないので、商売として成り立たない。ビジネスルールも不安がある。あそこは最後だと思う。中国は今ある鉄道をインプルーブする努力で十分です。輸出があるとしたら、やはり先進国。米国は受け入れる能力がある。後は決意だけ。自身がもっといいものをあっという間につくり上げる可能性を持った国だから、米国とは手を握って共同開発をする形にしたほうが得かもしれない。

あるいはイギリス。欧州はフランスが鉄道に自信を持っていて、鉄道で時速500キロでも出せると言っているが、実用化は絶対にできない。イギリスは次期政権はキャメロンが首相、オズボーンが大蔵大臣と言われているが、そのオズボーン氏が日本に来て、新幹線に乗り、超電導リニアの試験運転に乗って帰って、それを日本から持ってきて実用化すると発言した。新聞によれば、国内では袋だたきに遭ったようですが(笑)。イギリスでは、特に保守党が関心を持っていますね。
(聞き手:山崎豪敏 週刊東洋経済編集長、堀川美行 撮影:尾形文繁 =週刊東洋経済)

profile
かさい・よしゆき
●1940年生まれ。63年に東大法学部卒業、国鉄に入社。国鉄改革三人組と呼ばれ、分割民営化に尽力。87年に発足したJR東海取締役に就任。95年社長、2004年会長。国家公安委員。海陽学園副理事長、教育再生会議委員も務め、教育問題の論客としても知られる。

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