長期国債購入を月850億ドルに拡大

FRBの12月金融政策見通し(Fedウォッチャー)

米国では実証研究の積み重ねによって、ツイストオペまでの量的緩和策が、米国債10年利回りを累積で80bpから120bp(1bp=0.01%)ほど低下させていることが知られている(バーナンキ議長講演、8月31日)。QE3の効果は今後の研究待ちだが、少なくともエージェンシーMBSと米国債(10年)との利回りスプレッドの大幅な縮小をもたらしていることは明らかだ。

QE3発表時には、それまで80bpほどあったスプレッドが消える事態が生じた。発表から2カ月経った現時点でも60bp前後と、今年8月までのスプレッドと比べて20bpほど縮小している。こうしたMBS利回りの低下に伴い、住宅ローン金利は着実に低下している。


超低金利政策の継続期間の延長


9月の政策決定には、他にも特色があった。金利政策のフォワードガイダンス(時間軸。超低金利政策の継続期間についての約束)が強化され、QE3を含む量的緩和策にも初めてフォワードガイダンスが加わった点である。QE3は毎月の購入額が400億ドルと定められているだけで期限の定めがないが、新たなフォワードガイダンスがこれを補っている。

金利政策に関するフォワードガイダンスでは、「極めて緩和的な政策スタンスを続ける」という従来の文言に、「景気回復が強まった後の相当の時間にわたって」という文言が加わった。FOMCでの議論のため、参加者らの経済見通しを事前集計したSEP(Summary of Economic Projections)によれば、2014年末には実質GDP成長率が前年比3.0%~3.8%へと加速する(12年は同1.7~2.0%)。

失業率も6.7%~7.3%(12年は8.0~8.2%)まで低下するとみられている。「景気回復が強まった後の相当の時間にわたって」という文言には、米国経済がそうした好調さを見せるようになっても「2015年半ばまで」は金融緩和を継続する、という意味が込められている。

他方、量的緩和策に対するフォワードガイダンスでは、「労働市場の十分な回復が達成されるまで、エージェンシーMBSの購入を継続し、追加的な資産購入を実施し、かつ、その他の適切な手段を用いる」方針が示された。
仮に、SEPの失業率予測をメルクマールとし、失業率が7%まで順調に低下することを「労働市場の十分な回復」の達成とみなせば、14年末までは量的緩和策の維持・強化が図られることになる。実際、10月FOMCの議事録によれば、一部の参加者が、13年にも追加的な債券購入を行うことを支持している。

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