アテンダントさんに案内され、2号車・4号車の順に車内に入る。私の席は4号車、格子天井の重厚な雰囲気の車両だ。先日、隈研吾さんがデザインした高尾山口駅に行った記事を書いたが、この列車も隈研吾さんのデザインだ。予習しておいて良かった。車内の車両銘板やお手洗いの表示板も木でできているなど、あちらこちらに隈研吾さんらしさが見受けられる。
ちなみにトランクやコートなどの大きな荷物を持って乗車しても大丈夫。なんとクロークがあり、そちらで預かってくれるのだ。それぞれの席の後ろにも荷物カゴがあるので、使う手荷物を側に置いておくことができてありがたい。元々の座席数をかなり減らし、そのようなスペースを作っている。
列車は特にアナウンスもなく池袋駅を静かに出発。座るとまずアテンダントさんに「ドリンクは何になさいますか?」と聞かれる。ソフトドリンクは無料だが、アルコール類は別料金だ。ちなみに日本酒・赤ワイン・白ワインは秩父ブランドのものがある。
富士見台を過ぎたあたりで1品目のスープが出た。
蓋が付いているのは冷めないためとこぼさないためだろう、と思ったが、持ち上げてみると更に工夫を発見。受け皿とスープ皿が組み合わさり、ずれないような構造になっていた。これは揺れる列車内ゆえの造形だなあ、と感心した。
次に色とりどりのきれいな12種類の前菜。見た目も美しいが、もちろん食べても美味しい。とりあえず白ワインを頼んだ。
もっとシェフの顔が見えれば…
テーブルの上に置かれたメニュー表に前菜一つひとつの名前が書いてあるので、確認しながら食べる。そこには4人のシェフの名前が表記されていた。どうやらこの大きな一皿に盛られているものは、和・洋・中などのシェフがそれぞれに考案したものらしい。しかし誰がどれを作られたのかがわからなかった。
昨年、JR九州の観光列車「或る列車」に乗ったのだが、そのメニュー表にはシェフの名前や顔写真、何を担当しているかなどがかなり細かく書かれていた。更に料理に使われている野菜を作った農家の方やワインのメーカー、お皿のデザイナーまで全てが紹介されていた。そこまで詳しくなくても良いが、もう少し顔が見えてもいいなと思った。
メイン料理は武州和牛のポ・ト・フ~サプライズ仕立て。サプライズ仕立てというのが何かと思っていたら、なんとビニールに包まれた状態で運ばれてきて、アテンダントさんが席に運んできてからハサミで封を切って開けてくれるという演出。開けたての香りを楽しんで欲しいという意向らしい。
これは、とさっそく赤ワインを頼む。ちなみにパンはおかわりできないそうなので注意だ。
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