キヤノン、為替に営業益600億円を食われる

1~3月期決算は悲喜こもごもの結果だった

今期は御手洗冨士夫氏(左)が会長兼CEOに就任する新体制の1年目だ(撮影:梅谷秀司)

「新興国経済の低迷が続いている上、円高も進んだ」。4月26日に行われたキヤノンの決算会見で、田中稔三CFOは苦々しげにこう切り出した。

2016年12月期の第1四半期決算(1~3月期)は減収減益だった。売上高は7972億円(前年同期比7.0%減)、営業利益が400億円(同39.4%減)、純利益は279億円(同17.5%減)だった。

減収減益の原因は主力事業の落ち込みだ。市場縮小が想定されていたデジタルカメラ事業に加え、売上高の過半を占めるオフィス機器も不調だった。特にレーザープリンターは新興国を中心に本体、消耗品ともに大幅に販売数量が減少した。さらに、2016年の年明けから進んだ円高も追い打ちをかけた。

大幅下方修正だが、その内実は?

こうした状況を受け、キヤノンは通期の業績予想を下方修正。売上高見通しを3兆8500億円から3兆6000億円に、営業利益見通しを3600億円から3000億円にそれぞれ引き下げた。

ただし、下方修正こそしたものの、為替影響を除けば営業利益はむしろ見通しを引き上げている。その理由について、田中CFOは「コストダウンを見込んでいるということもあるが、監視カメラや産業機器などの新しい分野が成長の芽となることを期待している」と話す。

実際、成果は少しずつ出始めている。デジタルカメラやプリンター以外の事業群で構成される「産業機器その他事業」をみると、2016年度第1四半期の売上高は前年同期比6割増の1090億円。2013年度から赤字が続いてきたが、今期はようやく黒字化を見込めるまでに改善している。

次ページ新事業の貢献も見え始めた
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
  • 最新の週刊東洋経済
  • コロナ後を生き抜く
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
ひろゆき感動「難病61歳の人生サイボーグ化計画」
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
優秀なはずの上司の下で部下が育たない根本理由
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
面接や説明会で採用者が嫌う「9つのNG質問」
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
海外マネー流入!外国人に買われた日本企業20社
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
生前贈与がダメになる<br>相続の新常識

相続をめぐる環境が激変しています。年110万円まで非課税だった生前贈与が税制改正により認められなくなる可能性も。本特集では相続の基本から、よくあるトラブルと解消法、最新路線価に基づく相続税額、さらに生前贈与の将来動向まで取り上げました。

東洋経済education×ICT