北海道の冬の電力需給「綱渡り」は本当か 泊原発停止の影響は

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厳冬を前に電力不足への危機感が高まっている北海道。が、本当にこの冬の北海道の電力需給は「綱渡り」が避けられないのか。

北海道電力では今冬(2012年12月~13年2月)の電力需給について、発電予備率が5.8%と発表している。5.8%は電力量に直すと33万キロワットにすぎない。中規模な火力発電所1基がトラブルによって止まるだけで余力がほぼゼロとなるため、まさに「綱渡り」の危機的状況とも言われている。需要サイドに対して大幅な節電が呼びかけられる一方、停止している泊原子力発電所の今冬の再稼働要請も、地元経済界中心に高まっている。

最低限の予備率はクリア

ただ、この発電予備率を、供給力のさらなる拡大によって引き上げることはできないのだろうか。5.8%とは、限界的な数字なのだろうか。

北海道電力の想定(10月12日発表)によると、今冬の同社管内における予想最大電力需要は、2010年度並みの厳寒を前提に、563万キロワット(定着した節電の効果として19万キロワットを織り込み済み)と見込まれている。一方の供給力は、寒さが最も厳しくなる2月で596万キロワット。発電予備率(供給力が需要を上回る率)は5.8%としている。

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