北海道の冬の電力需給「綱渡り」は本当か 泊原発停止の影響は

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泊原発停止の影響は大きいが……

すでに11月2日には、この需給見通しを前提に、国と道、北海道電力が10年度比7%以上の節電を要請。さらに「計画停電回避緊急調整プログラム」を導入し、大口需要家に対して需給逼迫時の大幅電力使用抑制を要請する方針を発表している。

確かに原発が停止した影響は大きい。泊原発1~3号機の総出力は207万キロワットに及ぶ。暖房や融雪需要の増加を含め、北海道ならではの厳しい冬場の状況もある。また、いざというときの他の電力会社からの融通も、本州と北海道を結ぶ送電線の容量が60万キロワットと比較的少ないことから限界がある。

さまざまな制約条件はあるが、だからこそ最大限の安心を確保するために電力会社自身の継続した供給力拡大努力が必要。政府にも、供給力確保を後押しするための環境整備が求められる。
 

中村 稔 東洋経済 編集委員
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