日銀総裁が漏らした不満 高まる期待と増す重圧 

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同じく会見終盤、米FRB(連邦準備制度理事会)の政策を例にとって日銀の政策運営あり方を問われた中では、
「日銀は金融緩和政策のうえで常に世界の中央銀行の先頭を切ってきた自負がある。もちろん、日本経済の厳しい状況に対応し、必要に応じてさまざまな政策が生まれてきた。今、海外の多くの中央銀行が採用している政策の中で日銀が採用していなかったものがあるだろうか。ほとんどない。にもかかわらず、常にアメリカに照らして日本の政策を議論している。非常に何というか寂しい構図だ」と話した。


10年10月の決定会合後に公表した基金を通じた新たな金融緩和の手法について、その位置づけを問われた白川総裁は、

「多分そういったご質問が出るだろうと予測して、自分なりにどう表現するのかを考えました」と少し得意げな様子で「包括的な金融緩和政策。縮めて言えば『包括緩和』になると思います」と命名していた。政策金利の調節で金融緩和を図るという伝統的手法の余地がなくなり、包括緩和という新たな政策に移行した後も、あの手この手で追加的な金融緩和の余地を追及してきた。それが「世界の中央銀行の先頭を切ってきた自負がある」(白川総裁)とするゆえんだろう。

 

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