大刷新した新宿駅で「絶対に」迷わない方法 あの有名「駅オタク」が語る

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もしもここで迷ったら、腹をくくって切符代をもう一度支払い、間違った改札を戻って正しい改札へ行くのが賢明だ。実はそれが最良の抜け道とも言える。この北連絡通路が自由に行き来できたらどんなに良いことか。ところがその夢のような話が実際に現在進行中なのである。

東西自由連絡通路は新南改札エリアのライバルとなるか

見たらお分かりだと思うが、北連絡通路は現在工事中である。果たしてどんな工事が行われているのか。それはオリンピックに向けて、北連絡通路を東西が自由に行き来できる連絡通路に変えようとしているのである。

そうなれば、それこそ切符無しでこの地下連絡通路を使って東西を渡ることができるのである。現在JR新宿駅は東西の文化を隔てる大きな壁となっているが、この東西自由連絡通路ができれば東西の文化の交流が生まれ、新たな新宿が生まれるに違いない。

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さらに北連絡通路の南側には並行した地下通路がある。それは中央東口と中央西口を結ぶ中央連絡通路である。その2つの連絡通路の間をなんと商業スペースとなる計画もあるようだ。ちょうど東京駅のコンコースを想像していただきたい。まさしくエキナカがJR新宿駅の地下にお目見えするのである。その面積は図を見ていただければかなり広いのはお分かりだろう。

「新宿駅や 下は東西 上は南」で上の南だけにせっかくエキナカがあるため、上下だけでな
くエキナカがあるなしで東西と南を区別できたのに、下にもエキナカができればまた2つの違いは上下だけとなる。そしてさらには、2つのエキナカができれば当然JR新宿駅内競争が起きるであろう。よい方向に転んでその競争によって相乗効果で新宿駅構内がよりよくなってくれることを願いたい。

なお、中央連絡通路の中央東口と中央西口については、東口と西口と紛らわしいため間違える人が後を絶たない、JR新宿駅の悪名高きネーミングである。

今回の新南改札エリアのオープンにあたり、これまで新南口と言われていたネーミングを新南改札と「口」から「改札」へと大きく変えた。ちなみに「甲州街道改札」と「ミライナタワー改札」と他の二つも「口」でなく「改札」である。甲州街道をまたげば「南口」、「東南口」と「口」である。これも「中央東口」「中央西口」と「東口」「西口」での痛い経験からの知恵からであろうか。

なぜ南口に対して新南改札なの?とか言わず、そんなちょっとした工夫によって新宿駅で迷われる方がひとりでも減ることを願っている。 

田村 圭介 一級建築士・昭和女子大学環境デザイン学科准教授

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たむら けいすけ / Keisuke Tamura

1970年東京生まれ。95年早稲田大学大学院理工学研究科建設工学(建築)修了。98年ベルラーヘ・インスティチュート・アムステルダム修了。
98~99年UN Studio勤務。99~2002年FOAジャパン勤務時に横浜港大さん橋国際客船ターミナル(02年)の設計・監理を担当した。著書に『迷い迷って渋谷駅』(光文社)、『東京駅「100年のナゾ」を歩く』(中公新書ラクレ)。
 

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