成田アクセスに風穴開けた「格安バス」の実力 インバウンド需要や利便性が追い風に!

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「ジャパン・レール・パス」の利用者増加で息を吹き返した「成田エクスプレス」(写真:CRI&P / PIXTA)

その理由としては、訪日旅行者の増加はもちろん、短期滞在の外国人のみが利用できる新幹線を含むJR全線乗り放題チケット「ジャパン・レール・パス」(7日間で普通車用2万9110円、グリーン車用3万8880円)の利用が増えたことが大きい。

成田空港駅・空港第2ビル駅の専用窓口には「ジャパン・レール・パス」を買い求めるために長い行列ができている。成田空港で「ジャパン・レール・パス」を購入して、そのまま「成田エクスプレス」に乗車するという流れだ。

また、日本人向けにも前日までに購入することを条件に往復4940円(通常:東京から往復6040円、新宿・渋谷・池袋から往復6380円)で利用できる「N’EX往復きっぷ」を販売するなど、時間が確実に読める鉄道のメリットをアピールしている。

スカイライナーは増便に期待

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速さでは一番の京成スカイライナー(写真:tesshy / PIXTA)

もう1つの鉄道アクセスである京成電鉄の特急「スカイライナー」は、2010年に成田スカイアクセス線(印旛日本医大~成田空港)が開業したことで、日暮里~成田空港第2ターミナル間をわずか36分で結ぶようになった。成田空港に着陸してから都心へ急いで移動しなければならない時には一番頼りになる存在である。

原則、1時間あたり平均2本で、出発便が多い時間帯の京成上野発、到着便が多い時間帯の成田空港発は20分毎で便利である一方、時間帯によっては次の「スカイライナー」まで40分以上空いてしまうことがあり、結局他の交通機関を使うこともある。終日20分間隔で利用できるようになれば、空港アクセスとしての価値はもっと上がるだろう。

また、成田空港発の最終スカイライナーは22時30分発となっているが、23時台にスカイライナーが新設されれば、便が遅延して22時台に成田空港に到着した時でも都内周辺の多くのエリアへ終電もしくは終電前で帰ることが可能になる。これは高速鉄道の最大の強みであり、是非検討して欲しいものだ。

以前にも増して空港アクセスが多様化することは利便性アップにつながり、空港の価値を高める。格安バスが成田アクセスに間違いなく風穴を開けた。

鳥海 高太朗 航空・旅行アナリスト 帝京大学非常勤講師

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とりうみ こうたろう / Kotaro Toriumi

1978年千葉県生まれ。成城大学経済学部経営学科卒。食品会社、コンサルタント、城西国際大学観光学部助手を経て現職。専門は航空会社のマーケティング戦略。利用者・専門家の双方の視点から各社メディアを通じて情報発信をしている。

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