新常識!肉を焼くなら「冷たいフライパン」 あなたの料理が劇的に変わる3つのコツ

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正しく切るには、正しいフォームから

素材の切り方についてもひとつ言いたい。切り方には、たとえば玉ねぎのみじん切りひとつも「細胞をつぶさない切り方」と「つぶす切り方」の2種類があり、フレンチの世界では、前者をシズレ、後者をアシェと呼ぶ。

一般的な家庭料理では、素材のうま味や風味を損なわないシズレが適しているが、多くの家庭で、アシェだけでさまざまな料理をつくっている。これは問題だ。

正しく切るには、正しいフォームから。まな板に手をついたときに、ひじが自然と少し曲がるくらいの高さに調理台を合わせ、体の角度は調理台に対して45度。親指、人さし指、中指で包丁を握り、まな板に対して30度の角度で包丁を手前から斜め前方に押し出す。

すると、細胞をつぶすことなく、無駄な力を使わずに食材を切ることができる。その音は、「サクッ、サクッ」という繊細なもの。「トントン」とまな板を叩くいかにも料理上手な音は、実は細胞をつぶしている証だ。

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以上に挙げた3大ルールのほかにも、私が提唱する「新常識」はさまざまある。たとえば通常「手でこねる」ことがコツとされるハンバーグ。実は、手でこねると体温で肉の結着(くっつき)が悪くなり、肉がボロボロになってしまうため、「手ごね」は厳禁。ほかにも、焼き方、切り方、動きのタイミングなどのすべてに科学的な理屈がある。

最後に、次のような言葉を紹介して締めくくりたい。あなたの料理は、最新・最良の調理法ですか? 料理はずばり「科学」なのだ。

(構成・文:菊地貴広〈しろくま事務所〉)

水島 弘史 シェフ・料理科学研究家

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みずしま ひろし

シェフ・料理科学研究家。1967年、福岡県生まれ。
大阪あべの辻調理師専門学校および同校フランス校卒業後、フランスの三ツ星レストラン「ジョルジュ ブラン」を経て、東京・恵比寿のフレンチレストラン「ラブレー」に勤務、1994年より3年間シェフを務める。その他、視野を広げるべくさまざまな食産業の分野で働き、2000年7月、恵比寿にフレンチレストラン「サントゥール」を開店。後に「エムズキッチン サントゥール」と改め、2009年4月まで営業。また、1994年から料理教室の講師も務め、自店開店以降は、レストランと同時に料理教室も開催する。2004年から科学的調理理論を取り入れた独自の調理指導を始め、2010年に麻布十番に場所を移し「水島弘史の調理・料理研究所」を開く。大学、企業の研究所にもデータを提供、新メニューの開発や調理システムに関するアドバイスも行う。

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