新常識!肉を焼くなら「冷たいフライパン」 あなたの料理が劇的に変わる3つのコツ

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正しく切るには、正しいフォームから

素材の切り方についてもひとつ言いたい。切り方には、たとえば玉ねぎのみじん切りひとつも「細胞をつぶさない切り方」と「つぶす切り方」の2種類があり、フレンチの世界では、前者をシズレ、後者をアシェと呼ぶ。

一般的な家庭料理では、素材のうま味や風味を損なわないシズレが適しているが、多くの家庭で、アシェだけでさまざまな料理をつくっている。これは問題だ。

正しく切るには、正しいフォームから。まな板に手をついたときに、ひじが自然と少し曲がるくらいの高さに調理台を合わせ、体の角度は調理台に対して45度。親指、人さし指、中指で包丁を握り、まな板に対して30度の角度で包丁を手前から斜め前方に押し出す。

すると、細胞をつぶすことなく、無駄な力を使わずに食材を切ることができる。その音は、「サクッ、サクッ」という繊細なもの。「トントン」とまな板を叩くいかにも料理上手な音は、実は細胞をつぶしている証だ。

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以上に挙げた3大ルールのほかにも、私が提唱する「新常識」はさまざまある。たとえば通常「手でこねる」ことがコツとされるハンバーグ。実は、手でこねると体温で肉の結着(くっつき)が悪くなり、肉がボロボロになってしまうため、「手ごね」は厳禁。ほかにも、焼き方、切り方、動きのタイミングなどのすべてに科学的な理屈がある。

最後に、次のような言葉を紹介して締めくくりたい。あなたの料理は、最新・最良の調理法ですか? 料理はずばり「科学」なのだ。

(構成・文:菊地貴広〈しろくま事務所〉)

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