出口見えない欧州危機

スイスの辣腕バンカーが語る

 弊社は200年以上に及ぶ長い歴史の中、40もの危機を乗り越えてきたが、長い危機の中には23年間続いたものもあった。今回(の欧州債務危機)も長い危機になる。簡単な出口はない。

--こういう危機の時代に顧客に対して、どのようなアドバイスを行っているのでしょうか?

二つある。一つは分散投資。もう一つは機敏に、機動性を持つことだ。かつてはバイ&ホールドで、1980年~90年代の人々はリスクを考えず、成長のみを考えていた。いまは何でもスピーディに動く。即応性が必要だ。投資においては、リスクアプローチの考え方が重要だ。

--欧州における富裕層の動向は?

どこでも同じだろうが、いわゆる超富裕層は国際化が続いている。たとえば、日本やシンガポール、ロンドンに直系の親族が住んでいて、そういう状況に対する包括的なアプローチが求められている。企業家たちが会社経営においてダッシュボードをつくるように、いまどのようなトレンドがあるのか、投資においても世界のあちこちにアンテナを張る必要がある。

さらに、10年前と異なり、富裕層は銀行の破綻を恐れている。いまの世の中において、キャッシュでさえ安全ではない。しかし、世界の中には優良企業が存在する。金(ゴールド)も依然として魅力的だ。ドイツなど、国債も有望視されている。きちんと発展していく、有望な企業を発掘し、それらに対して分散投資を行う。非常に魅力的な投資先になる。

--危機を受けて、金融機関に対する金融当局の規制が強化されています。

小規模な金融機関にとっては非常に厳しいものになると思っている。ただ、当社は1500億スイスフランの規模を持っており、例外的な存在だ。50~70億スイスフラン規模の中小金融機関は、今後倒産の危機が出てくるのではないか。米国でもリーマンショック後に銀行が再編され、巨大化した例もある。 

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