JFEの9月中間決算が示す鉄鋼業界の苦戦

鉄鋼業界の先陣を切り、10月24日に2013年3月期9月中間決算(12年4~9月期)を発表したJFEホールディングス。上期は大幅な減益での折り返しとなった。

上期実績は売上高1兆4546億円(前年同期比7.3%減)、営業利益111億円(同79.0%減)。四半期別にみると、第1四半期(12年4~6月期)が売上高730億円、営業利益119億円であったのに対し、第2四半期(同7~9月期)は売上高724億円、営業損失8.4億円まで低迷した。

不振の主な原因は鉄鋼事業だ。足元のメタルスプレッド(販売価格と原料価格の差)は改善しつつあるものの、アジアにおける需要の低迷を背景にした鉄鋼市況の軟化や、原材料価格の下落による在庫評価差の発生が収益を押し下げた。一方、エンジニアリング事業は震災からの復興にともなうゴミ処理施設の建設などがプラス要因となり、上期の部門利益として、過去最高益を更新した。

続く12年10月~13年3月期(下期)にかけては、足元の需給環境の悪化を受け、鉄鋼事業で減産に踏み切る。今上期の鋼材平均価格は7万2000円/t(前年同期は8万4000円/t)まで下がっている。棚卸資産評価差も収益圧迫要因として残る見通し。ただ、年間1200億円のコスト削減効果や、エンジニアリングの好調などのプラス要因がある。

ただ、JFEホールディングスは12年4~9月期決算の発表と同時に、通期業績見通しを、売上高3兆1800億円(前期比0.4%増)、営業利益550億円(同22.8%増)に見直した。通期では営業増益を達成する計画だが、7月26日の第1四半期決算発表時に公表していた従来に比ると、売上高1200億円、営業利益450億円の下方修正だ。

好調なエンジニアリング事業を除けば、JFEの本業である鉄鋼事業をめぐる環境は厳しい。同業の鉄鋼メーカーも苦戦の決算が予想されそうだ。

(写真はイメージです) 

(小河 眞与 =東洋経済オンライン)

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