「グランドビッグマック」はなぜヒットしたか SNSでの拡散に成功した理由を探る
筆者もグランドビッグマックのバリューセットを買って食べてみた。確かにビッグマックよりも食べごたえがあるが、味はほぼビッグマックと同じ。周りを見渡すと、食べる前のグランドビッグマックをスマートフォンで撮影する光景が店内のあちらこちらで見られた。
今年3月末に開かれた日本マクドナルドの株主総会で、サラ・カサノバ社長は2015年を振り返り、「日本マクドナルドの45年にわたる歴史上、最も厳しい年だった」と述べた。2014年の使用期限切れ鶏肉問題、そして2015年には異物混入など、食の安全性に関する事件が相次いだ中、マクドナルドは次々と新商品を導入するも、なかなか突破口を開けないでいた。
昨年10月には、平日限定で実施していた昼マックを廃止し、「おてごろマック」という名称で「エグチ」と愛称を付けたエッグチーズバーガーをはじめ新たに3種類のハンバーガーを新商品として投入した。
当時のカサノバ社長は、「10年前の100円マック登場以来の大きな変化になる」と自信をみせていたが、結果的にこの新メニューがマクドナルド再浮上のきっかけとはならなかった。ビッグマックと同様、定番商品であるチキンタツタやえびフィレオを復活させるなど、新メニュー以外の施策も実施してきたものの、結果は同じだった。
SNSでの拡散がヒットに繋がった
一方で、今回のグランドビッグマックのヒットである。これには従来とは違う情報の広がりが影響しているように見受けられる。インターネット、特にフェイスブック(Facebook)やインスタグラム(instagram)などSNSでの拡散だ。
テレビや新聞、雑誌などのマス媒体は情報が一方的なだけでなく、物理的に紙を入手するか、テレビの前にいないと情報が得られない。対してスマホが爆発的に普及した今は、いつでもどこでも自分が欲しい情報を調べたり、ニュースに触れたり、SNS投稿を目にしたりする。特に自分と近しい人が情報発信したSNSの投稿は、リアルの世界でいうところの「口コミ」効果がある。
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