高級化粧品「セルフ型」店の勝算

シャネルもランコムも自由に試せる


 コスメームは「まずは1号店で(陳列、接客方法など)検証を続け、2号店以降にいかしたい」としているが、業界内からは「いまだ実験の粋を出ておらず、現状では採算がとれていないのでは」との声も聞こえる。

一方、住商ドラッグは ドラッグストアのトモズでかねて化粧品のカウンセリング販売を行っており、「接客力には自信がある」(師岡社長)。インクローバーを展開するにあたり、美容部員には同店で取り扱う30以上の研修を受講させた。さらに今後はスキンケア品、メーク品など美容部員ごとの得意分野を設定・育成し、個々人の負担を減らしつつ、客の期待に応えられる体制を目指すという。

新業態への国内外の化粧品メーカーの反応はさまざまだ。

国内最大手の資生堂は、海外の同様の店舗に出店経験があるメーキャップブランド「ナーズ」をインクローバーで展開するものの、今後については「ブランドの世界観を伝えられる売り場作りができ、百貨店との補完関係が構築できるのであれば展開していきたい」(資生堂)と慎重。対して、国内メーカーのように専門の販売店を持たない、外資系メーカーは百貨店の凋落に対する危機感が強く、総じて新チャネルへの期待感が高い。

曲がり角を迎えて久しい高級化粧品販売。セルフ型の要素を取り入れた新業態ははたして多忙な女性の心をつかめるか。

(長瀧 菜摘=東洋経済オンライン)

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • トクを積む習慣
  • 最新の週刊東洋経済
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • ポストコロナのメガ地経学ーパワー・バランス/世界秩序/文明
トレンドライブラリーAD
人気の動画
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
商社大転換 最新序列と激変するビジネス
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
「話が伝わらない人」と伝わる人の決定的な差
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
渋谷駅、谷底に広がる超難解なダンジョンの今
自動車販売会社の『車検』争奪戦が熾烈なワケ
自動車販売会社の『車検』争奪戦が熾烈なワケ
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日本企業は米中の板挟み<br>全解明 経済安保

先端技術をめぐる米中の争いは日本に大きな影響をもたらします。海外からの投資は経済を活性化させる一方、自国の重要技術やデータが流出し安保上のリスクになる可能性も。分断の時代に日本企業が取るべき進路を探ります。

東洋経済education×ICT