住宅ローンは、本当に今が借り換え時なのか

超低金利局面で得をするのは3タイプ

たとえばあるメガバンクの場合、変動の店頭金利(つまり定価)は短プラ+1%で2.475%です。ここから年1.7%の優遇(値引き)があり、適用金利が年0.775%となります。店舗を持たないネット銀行等はさらに優遇幅を拡大し変動金利で年0.5%台まで金利を引き下げています。

とはいっても、すでに変動金利で借りている人が今の金利で借り換えてもメリットは少ないのが実状です。たとえば、5年前に変動金利型の35年で2500万円の住宅ローンを組んだAさんを例に取りましょう。

当初の金利は0.975%で、これまでの返済額は月7万円ほど。現在は約2200万円の残高があります。これから30年で約2530万円を返していく計算ですが、たとえばネット系銀行の変動金利0.57%の住宅ローンに借り換えると、月の支払いは約6.6万円、総支払額は2380万円ほどに下がります。

150万円ほどの借り換えメリットがあるように見えますが、実際には抵当権の設定・抹消手続きや登記などの借り換え諸費用が約70万円かかります。つまり実際に減る支払額は80万円ほど。30年に直せば1カ月当たりの返済額は約2000円しか下がりません。現在、変動金利型→変動金利型に借り換えてメリットがある人は、借入当初の諸事情によって優遇を受けられなかったなど、年1.5%(金利差1%)以上の変動金利を借り換えする場合に限定されそうです。

全期間固定金利は借り換えのチャンス

この局面で借り換えメリットが大きいのは、全期間固定金利型で借りている人です。10年前に住宅支援機構の「フラット35」で全期間固定金利を利用した人の金利は2.87%(2006年5月)ですが、現在の固定金利は1.19%にまで下がっています。

具体的に見てみましょう。10年前に期間35年(金利2.87%)で3000万円を借りた人のケースです。当初の返済額は月11万3000円ちょっと。これまでに約1350万円を返済し、残り25年での残債は約2420万円。残りの総返済額は約3400万円です。

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