住宅ローンは、本当に今が借り換え時なのか 超低金利局面で得をするのは3タイプ

拡大
縮小

これを今の金利(1.19%)で借り換えると、月の返済額は約9万3000円、残りの総返済額は約2800万円まで下がります。借り換えによる支払い利息の差は約600万円で、約65万円の諸経費を差し引いても十分にメリットがあります。空前の超低金利になっているフラット35に借り換えをした方が良い人は以下の3タイプです。

借り換えをすべきはこの3タイプ

① 全期間固定金利で年利2%以上ある人

金利差1%・残高1000万円以上・残期間10年以上が借り換えメリットの目安なので、5~10年前に旧住宅金融公庫(2007年3月廃止)・銀行の全期間固定金利・フラット35で住宅ローンを組んだ場合は、当時の借り入れ条件を確認してみましょう。

② 固定金利特約型で、間もなく特約期間が終了する人

特約期間終了後の「優遇」を確認しましょう。当初優遇型で契約していた場合は特約期間が終了した際に、変動金利にも関わらずフラット35の固定金利よりも金利が高くなる場合があります。その時は迷わずフラット35に借り換えしましょう。

③ 変動金利で借りているが、固定金利に変更したい人

銀行の金利優遇幅が今ほど大きくなかった5年前の変動金利で借りている人は、今でも年0.975%前後の金利です。残りの返済期間が長く金利上昇がリスクと考える人にとっては、全期間固定金利で1.19%は魅力的かもしれません。

住宅ローンの借り換えは単純に支払い利息が安くなるだけではなく、今後のライフプランを安定させるためにも活用できます。ただしフラット35の場合は保証料が無料になる代わりに、事務手数料が借入金額の1.5~2%掛かるほか、借入者が亡くなったり、高度障害になったりした場合に、金融機関が残った住宅ローンを完済してくれる「団体信用生命保険」が任意加入となるため、この保険料が自己負担となります。

条件や諸費用などホームページや広告には「大きく」書かかれていないポイントもあるので、借り換えの試算や借り換え先の住宅ローン選びを、中立な立場のファイナンシャルプランナーに相談するのも一手です。

黒崎 大 ファイナンシャルプランナー

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

くろさき だい / Dai Kurosaki

三井住友銀行で住宅ローン業務・富裕層の資産運用相談業務に従事。ソニー生命を経てファイナンシャルプランナーとして独立。現在はマイホーム購入者へのライフプランニング、生命保険相談、投資信託を扱うIFAとして活動している。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT